RESTORATION

1967 Ford Bronco “Baja” Roadster

AFTER

BEFORE

■この車について

  • レストアプロジェクトを開始した1967 Bronco "Baja" Roadsterです。
  • この個体は希少な1967モデルのV8 Bronco RoadsterをベースにStroppeのオリジナルパーツをふんだんに使いモディファイされた1台です。
  • レストアを開始する手はずが整い倉庫から出しました。早速、トレイラーに載せられ作業を担当するノーザンカリフォルニアのN氏の元に向けて出発します。
  • 今回レンタルしたU-Haulのトレイラーも真っ新な新車でした。これで2回連続です。
  • Santa Nella, CAに給油のため立ち寄り、更に北へと向かいます。
  • 無事にN氏の工房に到着しました。
  • 一度N氏の工房へと運びましたが、Santa Rosa,CAでの山火事のため我々のLAの拠点へと帰って来ていた1967 Bronco “Baja” Roadster。
  • 幸いなことにN氏の工房の無事を確認し、山火事も鎮火した後再びN氏の工房を目指して出発しました。
  • Santa Nella,CAにて休憩をとりさらに北を目指します。
  • 無事にN氏の工房へと到着しました。
  • N氏の工房では同じエクステリアカラーを持つブロンコと遭遇しました。気になる一台ですね~。
  • オリジナルカラーであるPoppy Redへと戻す作業からプロジェクトが再開されます。
  • ノーザンカリフォルニアのN氏の下でこの度、晴れてレストアプロジェクトをスタートさせることになった、’67 Bronco “Baja” Roadsterです。
  • レストアプロジェクトをスタートさせるにあたり、今回は改めてこの個体のストーリーをご紹介したいと思います。まずはこの個体が何故、”Baja” Roadsterと呼ばれているのかについてご説明します。この個体のオリジナルオーナーは、Cort Fox Ford、現在のHollywood Fordのパーツマネージャーでした。彼は’66年式のブロンコを試乗した際、170cidストレートシックスエンジンの非力さに落胆し、ブロンコの購入をためらっていたそうです。そんな折、289cidのV8エンジンがオプションで設定されたことを知った彼は資金を貯め、1967年4月にこのブロンコをGlendale, CAのCalifornia Motorsでオーダーしました。
  • なぜ自分が勤務していたCort Fox Fordではなく、California Motorsでオーダーしたのかですが、知り合いだったCalifornia Motorsのフリートマネージャーが自分の勤務先であるCort Foxよりもより良い条件を提示したためだったそうです。
  • オーダーから2か月後の1967年6月、オリジナルオーナーはCalifornia MotorsでこのBronco Roadsterを受け取るとすぐに入手しておいたShelby Hipo 289 Partsを組み込みました。その内容ですが、インテークマニホールド、ヘッド、キャブレター、エアクリーナー、バルブカバーなどです。記録によるとその時のオドメーターはたったの50マイルだったそうです。要するに新車時にFordのディーラーマンによってエンジンがハイパフォーマンス化されていたのです。
  • 彼はエンジンのハイパフォーマンス化が済むとすぐに、このブロンコをHolman and Moody-Stroppeのショップへと持ち込み、15×8のスティールホイール、ゲーツコマンドタイヤ、フェンダーフレア、ロールバーなどを装着し、フロントダンパーはステーが追加されデュアル化されました。オフロードレーシングの創成期とも言える1967年に、その後の1971年に発売されるBaja Broncoとほぼ同じスペックのカスタムが施されていたのです。以上がこの個体が “Baja” Roadsterと呼ばれる所以です。
  • この個体の特筆すべきは、新車時に装着されたShelby製のHipoパーツやStroppeのパーツがすべて保たれていることで、Baja Broncoマニアの間では伝説のRoadsterという位置付けを獲得しているほど貴重な個体となっています。
  • 装着されているステアリングホイールも1967年当時に装着されたもの。1967年当時はパッドではなくラバー製のステアリングホイールでした。
  • N氏の工房に入り、レストアプロジェクトの開始を待つ、”Baja” Roadster。
  • モディファイを終えた”Baja” Roadster は1stオーナーによって、彼の妻や家族、友人らと共に数年間の間、シエラネバタやSo Calデザートの4wheelアドベンチャーに持ち込まれました。様々なローケーションでオフローディングを楽しんでいたのです。今でこそ普通ですが、1967年の時点ですでにブロンコはこういったアウトドアライフのツールとして使われていたのです。元祖SUVと言われる所以です。
  • その後、1970年に1stオーナーはNorthern Sierrasに位置するQuincyという町に引越し、地元のフォードディーラー、Quincy Motor Salesにパーツマネージャーとして就職しました。
  • 引越すとすぐに彼は雪の降るノーザンカリフォルニアの気候が”Baja” Roadster に適していないことを悟り、ファイアーウッドを積めるピックアップトラックへの乗り替えを決意し、この”Baja” Roadster を同僚のQuincy Fordのセールスマネージャーへと売却したのでした。
  • 現在でもこの”Baja” Roadster がQuincy Fordのライセンスプレートフレームを付けているのは、Quincy Fordのセールスだった2ndオーナーによって取り付けられたためです。もちろんこの”Baja” Roadster がデリバリーされたCALIFORNIA MOTORSのフレームも保存されていますが。2ndオーナーは暫くすると、QuincyからSanta Cruz,CA へと引越し、サンドバギーの聖地であるPismo Beachを頻繁に訪れるようになりました。その頃、この”Baja” Roadster は2ndオーナーによってフロントアクセルがDana30からより強いDana44へと換装され、Headersやトラクションバーなどが追加されるモディファイを受けています。
  • 80年代に入ると2ndオーナーはSanta CruzからEtna, CAへと引っ越しました。この頃になると”Baja” Roadster のペイントは色褪せ、ソフトトップは劣化して解れてしまったことから、彼はハードトップを載せ、リペイントすることを思いついたのです。こうして”Baja” Roadster にはハードトップが載せられ、何故、このペイントスキームが選ばれたのかは定かではありませんが、メタリックブルーとグレーのツートン、即ち、現在の状態へと姿を変えたのでした。
  • その後、数年の間、この2ndオーナーのガレージに眠っていた”Baja” Roadster はフロアパンに錆一つないソリッドな状態を保ったまま、3rdオーナーに引き継がれ、姿を変えることなく、2016年に私共の元へとやって来たのでした。
  • ノーザンカリフォルニア在住のN氏の工房に収まった、”Baja” Roadster、まずはボディパーツを外す作業からスタートしました。
  • 全てのシートが外され、ロールケージが外されました。そしてカーペットが剥がされフロア上に何も無い状態となりました。そしてRoadster特有のパーツである、左右のファイバーグラス製ドアインサートが外されました。
  • ドアインサートを外して見ると、オリジナルのPoppy Redのペイントが現れました。このドアインサートはリペイントされた際も取り外されることがなかったようです。
  • そしてそこには長い年月によって堆積した埃が乾燥した泥のような状態で見つかりました。しかしロッカーパネルやドアピラーポストに錆はなく、ソリッドな状態を保っていました。この個体の保管状況の良さを物語っています。
  • 腐食しがちなフロアパンとフロアボードを繋ぐ各エクステンションパネルにも錆は見当たりません。
  • ドア廻りから各フロアはとてもソリッドな状態であることが確認出来ました。
  • 次に各パネルに開けられたボルト穴の確認を行います。どのボルト穴がオリジナルのものかを一つずつ確認して行くのです。今回のレストアプロジェクトでは1stオーナーがこの個体を”Baja” Roadsterへとモディファイした後の姿への復旧を目指します。フォードディーラーのパーツマネージャーだっただけに、当時のFord Truck Accessories Bookletに記載されていたほぼ全てのパーツを装着した痕跡があり、工場出荷後に多数のパーツがインストールされているため、1967年から68年にかけての状態を見極めるために慎重な作業が求められるのです。
  • ボディワークに向けて各パーツの取り外し作業が行われている”Baja” Roadsterです。
  • ラジエターが外され、バッテリーなどの電装パーツが取り除かれました。
  • 配線が外された状態のインナーフェンダーエプロン部分です。とてもソリッドな状態を保っています。
  • フェンダーエプロンのブラケット部分にもオリジナルのポッピーレッドのペイントが残ります。
  • シフターはフロアに移設されていますが、これも’67年当時の貴重なパーツです。今回のプロジェクトではこういったパーツも含めて”Baja” Roasdsterとしてレストアを行います。
  • 外せるパーツは外された状態になり、ボディショップへと運び込まれました。この後、不要なボルト穴を塞ぐ作業を行い、ブラスト加工をボディ全体に施す予定です。
  • ボディワークに向けてボディショップへと入庫した “Baja” Roadsterです。
  • この後予定されているブラスト処理に向けて、まずは前オーナーがモディファイした際に開けられた様々なボルトホールの穴埋め作業を行っています。
  • オリジナルのボルトホールを残し、ハードトップを装着した際に開けられたボルトホールなど不要な箇所を穴埋めしていきます。
  • フロアパネルも同様に穴埋め作業を行っていきます。
  • 社外品のシートを取り付けたり、センターコンソールボックスが追加された痕跡を見て取ることが出来ます。
  • 錆一つないフロアパンを見るとこの個体の状態の良さを改めて確認することが出来ますね。前オーナーによって塗られたメタリックブルーのペイントがコーティングのような役割を果たしていたのかもしれません。
  • 不要なボルト穴を埋める作業が行われた後、ボディ全体にブラスト処理が施され、更にレストア用のシャシーに載せ替えられた’67 “Baja” Roadsterです。再びボディショップへと戻って来ました。
  • フロアパンを始め各フロアパネルはとてもソリッドな状態です。製造から既に50年以上が経過したオリジナルパネルということを考えると、エクセレントコンディションと言えると思います。
  • ファイアーウォールパネルもマスターシリンダーからの液漏れによる腐食なども一切無く、とてもクリーンな状態です。
  • インナーエプロンや各ドアポストもソリッドな状態です。
  • ドライバーズサイドのリアフェンダーパネルや、
  • テールライドハウジングなど修正が必要な箇所は限られています。全体的に見るととてもソリッドな状態で、イージーレストアな個体です。
  • ペイント用のシャシーに載せられたボディはブラスト処理が施され、ボディショップへと入庫しています。
  • オリジナルスチールホイールのレストア作業が行われていました。
  • 8Jのオリジナルスチールホイールは極端に数が少ない激レアアイテムで、マーケットで見つけることはほぼ不可能です。ブラスト処理が施され下塗りを終えました。
  • とても良いコンディションを維持していることが分かります。この後、’67年当時の仕様と同じくブラックへとペイントされる予定です。
  • ボディが下ろされたシャシーはN氏の工房に収まり、バラし作業が同時進行で行われました。
  • フレームにはファクトリーで書かれた落書きが残っており、このシャシーがノンレストアであることが確認できます。腐食もなくとてもソリッドな状態です。
  • そしてN氏によってフレームだけの状態にまでバラされました。
  • ブラスト処理によって古いペイントが剥がされた後、下地となるグレーにペイントされた’67 Bronco “Baja” Roadsterです。
  • 先週からペイントに向けての下地作りが開始されました。
  • こちらはドライバーズサイドのリアフェンダー部分です。”Baja” 仕様のためフェンダーはカットされていますがパネル自体はフラットでとてもソリッドな状態です。
  • フロントフェンダーパネルも良い状態です。大径タイヤの干渉を避けるために1stオーナーによってカットされたホイールアーチのフロント部分は、この後、補強する予定です。
  • 傷んでいることの多いテールゲートも腐食はなく、目立つ凹み等もない状態です。
  • 唯一、修正が必要だったのが、ドライバーズサイドのロッカーパネルです。1stオーナーがシエラネバタでのオフローディングをしている際に痛めたのでしょう。
  • ローカーパネルを取り外し、修正を加えていきます。
  • ボディワークと同時進行でレストア作業が行われている、”Baja” Roadsterのフレームです。
  • フレームもとても良いコンディションであることは前回までにご紹介していますが、この個体の特筆すべきは’67年当時のオリジナルパーツが当時の姿のまま残されていることなんです。こちらはデュアルショック化のために追加されたショックタワー、ストロップのオリジナルパーツです。とても貴重なパーツです。
  • 唯一、フレームでリペアが必要な個所がこちら、パッセンジャーサイドのフロントエンドです。オフローディングの際に痛めたのでしょう、下端が上向きに曲がっています。
  • こちらはドライバーズサイド、ダメージは無くソリッドな状態です。
  • そしてこちらはパッセンジャーサイド、リペア後です。正しい姿を取り戻しました。
  • ボディのペイントに向けて準備が進められている “Baja” Roadsterです。ボディ全体が下地塗装であるグレーへとペイントされました。ここから本塗装に向けて下地を作っていきます。
  • こちらは左右のインナーフェンダーエプロンです。もちろんオリジナルのパネルなのですが、ダメージは一切なく、この個体の状態の良さを物語っています。
  • こちらは左右のホイールウェルです。こちらもダメージは一切なく、比較的簡単に下地を作ることが出来そうです。
  • ファイアーウォールもとても綺麗な状態です。
  • こちらはこの個体で唯一、パネル交換が必要だったドライバーズサイドのローカーパネルです。加工しながらこの個体のシェイプに合わせていきます。
  • 左右のリアフェンダーは面出し作業を開始しています。どのパネルもとてもソリッドな状態ですので、予定よりも早く作業が進みそうです。
  • 付属パネルのスムージング作業が行われました。こちらはグリル、もちろんこの個体のオリジナルパーツです。
  • 左右のフロントフェンダーもスムージングが完了しています。フロントフェンダーはオリジナルオーナーによってホイールアーチ先端部分がカットされており、その部分の補強を今回行う予定です。
  • こちらはウィンドシールドフレームです。これからスムージングに取り掛かりますが、とてもソリッドな状態ですので手間はかからなそうです。
  • ファイバーグラス製のドアインサートも下地塗装が完了しています。こちらも貴重なオリジナルパーツです。
  • テールゲートのスムージングも完了しています。
  • ダッシュパネルはオリジナル品が前オーナーによって、ステレオデッキの取り付けのため、大穴が開けられていました。そこで’67年製の中古パーツを入手して使うことになりました。ブロンコのダッシュパネルは’66-’67年とそれ以降で形状が異なります。’67年製のダッシュボードはとても希少なパネルなのです。