RESTORATION

1969 Ford Bronco “Patina Package Vol.2” – 弦巻編

AFTER

BEFORE

■この車について

ノーザンカリフォルニアにて入手しました1969 Broncoです。新車当時からのオリジナルペイントを活かし、インテリア、エンジン、駆動系や下まわりなどをパリッと仕上げる"Patina Package"として造り上げたBroncoです。オリジナルペイントを極力残すため、前オーナーによりカットされたリアフェンダーをそのまま使い、マイルドなリフトアップを施して純正よりサイズアップしたタイヤを装着してオーバーフェンダーを装着することでワイルドなスタイルに仕上げました。
Restorationの模様を、US編と弦巻編に分けてお伝えします。

  • アメリカより到着した1969 Bronco Patina Package No.2のリファインプロジェクトを開始します。
  • オリジナルペイントのBoxwood Greenを活かしながら機関系や下まわりをパリッと仕上げるPatina Packageです。
  • カットされたリアフェンダーを活かして、リフトアップされたちょっとワイルドなスタイルに仕上げる予定です。
  • Projectはエンジンまわりの整備からスタートです。クレーンで吊り上げてBroncoから302 cid V8エンジンを下ろします。
  • 下ろしたエンジンはエンジンスタンドに固定。これから一気にバラして各部の点検&メンテナンス、消耗品の交換などを行っていきます。
  • エンジンまわりの作業から始めたリファインプロジェクト。まずはブロンコから降ろしたエンジンを分解して中の状態を確認します。
  • インテークマニフォールドと左右のバルブカバーを外した302cid V8エンジン。Vバンク内とローッカーアームやバルブスプリングが収まるシリンダーヘッド上部などは綺麗な状態が保たれています。前オーナーのエンジン管理がしっかりと行われていたようです。
  • 左右のシリンダーヘッドを取り外した状態。クーラントやエンジンオイルを抜いていきます。
  • ピストン上部もカーボンは付着していますが良い状態を保っています。シリンダー内も傷がなくスベスベの状態でした。
  • こちらはシリンダーブロックから取り外したシリンダーヘッド。ここから見える部分は綺麗ですが、バルブの状態も確認が必要です。
  • 専用工具を使ってインテーク&エキゾーストバルブを1本づつ抜いて状態を確認しました。バルブまわりのパーツも問題ありませんでした。この後は分解したそれぞれのパーツのクリーニング&メンテナンスを進めてまいります。
  • 現在Broncoから降ろしてオーバーホール中の302cid V8エンジン。シリンダーヘッドのメンテナンスと平行してシリンダーブロックの作業を進めます。まずはコンロッドキャップを外してピストンを抜く作業から。
  • 8本全てのピストンが抜けました。ピストン自体、カーボンの付着はあるもののとても良い状態を保っています。
  • ピストンは1本づつカーボンなどの汚れを除去し、ピストンリングの状態を確認。
  • クリーニング後取り外したクランクシャフトと一緒にエンジン組み立てまで保管しておきます。
  • シリンダーブロックもウォータージャケットの洗浄やオイル汚れなどの除去をおこないました。
  • シリンダーヘッドとの合わせ面などはガスケットを綺麗に除去したのちオイルストーンで磨いて面出しを行いました。
  • シリンダーヘッドやプッシュロッド、タペット、ロッカーアームなどもクリーニングを行いました。エンジン組み付けまで程よくオイルに浸しつつ保管しておきます。
  • 各部のクリーニング&メンテナンスの終わったエンジンを組み上げる作業にかかります。
  • まずはクランクシャフト&ピストンをシリンダーブロックへもどします。コンロッドとクランクをしっかりと連結し、キャップは規定トルクで締め付け。
  • カーボンを除去し綺麗になったピストン8本がシリンダーブロックへと戻りました。
  • 続いてエンジンをクルット回して裏側にオイルポンプを取り付けます。
  • こちらはピストン組み付けと平行して作業を進めていたシリンダーヘッド。ガスケットの残りやカーボンなどをクリーニング中。
  • クリーニングの終わったシリンダーヘッドとバルブを組み付け前に摺合せします。2種類のコンパウンド使いバルブとシリンダーヘッドの当り面をこすり合わせる作業ですが、これをやることで両者の密着度が高まります。
  • 摺合せの終わったバルブとスプリングを、専用工具を用いてシリンダーヘッドに組み付けました。
  • シリンダーヘッド&シリンダーブロックともに準備が整いましたので両者をドッキングしました。
  • シリンダーブロックにシリンダーヘッドを載せ、オイルパンを装着。各部をマスキングしてFord Blueへのペイントに備えます。
  • マスキング終了後、エンジンを一気にFord Blueへと染めます。
  • Ford Blueに染まった302cid V8エンジンです。天気がいいとと塗装のノリがよく、乾燥も早いので作業が捗ります。バルブカバーのペイントが雑に見えますが、コレは塗装用の部品なので心配いりません。
  • 正式なバルブカバーを被せる前に、オイルの循環を確認します。オイルポンプを人力で回して…
  • ロッカーアームからオイルが流れてくればOK。8気筒分16個のロッカーアームでオイルを確認できましたのでバルブカバーを被せ、他のパーツも取り付けていきます。
  • バルブカバー&各種パーツを取り付けました。ここでひとまずエンジンの作業はお休み。続いてボディの仕上げにかかります。このエンジンはエンジンルームの作業が終了し次第Broncoへと戻します。
  • ボディ&シャーシーの仕上げに取り掛かります。
  • 下まわりから作業開始です。まずは、取り外せるものを全てBroncoから下ろします。
  • フロント&リアの下まわりです。フロントアクスルはこれから取り外し。リアは燃料タンク、アクスル、リーフスプリングの取り外しが完了しています。
  • 大物パーツがいなくなると下まわりがスッキリとしてクリーニングの作業効率もアップします。
  • こちらはリアアクスルハウジング。ディファレンシャルを抜いてギアの状態を確認。ハウジングの内部も完全にクリーニングを行います。
  • フロントアクスルの取り外し完了です。Broncoの下まわり、今はまだだいぶ汚れていますが、基本的にボディ同様乾燥している状態なので一皮むけばツルンとした下まわりに仕上げることができそうです。
  • こちらはエンジンルーム。下まわり同様、フレームのクリーニングや配線のチェックなどを行っていきます。
  • 大まかなパーツを外し終わったBronco、続いてはクリーニングに移ります。まずは泥や油などの汚れを高圧洗浄機で一気に洗い流します。
  • 下まわりはもちろん、フレーム内部やフェンダー内、エンジンルーム、フード裏なども細かいところまでしっかりと汚れを洗い流します。
  • 高圧洗浄機でのクリーニングが終了したら、続いては削りの工程。ツルツルの下まわりを目指して、高圧洗浄機では落とせなかった汚れや錆などを削り落とします。
  • 機械が入らないところはワイヤブラシなどを使いながらマンパワーでゴシゴシと。
  • 全体的に削り工程が終わったPatina Package No.2です。この個体、汚れ具合の程度はかなり高かったのですが、一皮むいてみるとかなり良いコンディションが保たれていました。これならシャシーブラックの乗りも良さそうで、艶やかでツルツルな下まわりに仕上げられそうです。
  • フロントまわりやフレームなど、金属の地が出るまで磨き上げました。写真ではわかりずらいですが、この状態でフレームの表面はスベスベです。ここまで下地を仕上げておけばシャーシーブラックの乗りも良くなります。
  • 磨いて脱脂を行った後、新たな錆が発生する前にシャーシーブラックブラックを塗布していきます。こちらはフロントまわり。
  • リアまわり。リフトアップ用スプリングの取り付けも終了しました。
  • フロントのセンタートンネル部。ここはエンジン&ミッションが戻ると手が届かなくなる部分ですので、しっかりと仕上げておかなくてはなりません。
  • リアのフロア下です。下まわりのおおまかな部分にシャーシーブラックの塗布が終了。黒々とした下まわりに仕上がってきました。
  • ボディ&フレームなど、下まわりのクリーニング&シャーシーブラックの塗布がほぼ終了した1969 Bronco。続いてアクスルハウジングのクリーニングに移ります。
  • Broncoから降ろしたハウジングを磨き、内部も古いオイルを完全に洗い流します。
  • こちらはディファレンシャルキャリアです。外側のクリーニングののち、ギアの状態や動きを確認しながら、古いオイルを洗い流しました。
  • クリーニングの終わったリアアクスルハウジングをリーフスプリングと連結。
  • 錆が浮き出す前にシャーシーブラックを塗布します。
  • アクスルシャフトシールも打ち換えておきます。
  • ディファレンシャルキャリアをアクスルハウジングへと戻しました。
  • こちらも錆が浮いてくる前にシャーシーブラックで仕上げています。
  • バックプレートをアクスルハウジングへと取り付け、リアアクスルを挿入。だいぶ形になってきました。
  • 金属の地が出るまで磨き上げた甲斐あって、リアアクスルハウジングも艶やかな表面に仕上げることができました。下まわりを全体的にこの艶やかな仕上がりにするべく、さらに作業を進めます。
  • 1969 Broncoの下まわりもだいぶ形になってきました。フロント&リアアクスルハウジングの取り付けも終わり、フロントまわりの仕上げ作業を中心に進めています。
  • まずはアクスルハウジングとフレームをつなぐラジアスアーム&コイルスプリングを取り付け。これでフロントアクスルハウジングが支えられるようになりました。
  • 左右のコイルスプリングとラジアスアームを取り付けたフロントアクスルハウジングです。リフトアップ用のスプリングを入れていますので、ストックに比べてだいぶハウジングが下がっていますね。
  • フロントまわりもシャーシーブラックで整えました。艶っぽい仕上がりがいい感じです。ディファレンシャルカバーもスベスベです。
  • ファーストメンバー
  • フレーム
  • フロア下まで黒一色に染まりました。鏡面とまでは行かないまでも全体的に艶やかな仕上がりになっています。
  • こちらがメンテナンス開始前の下まわりです。下まわりのメンテナンスは汚れを落としてシャーシーブラックを塗布するだけではなく、Broncoから外したそれぞれのパーツのメンテナンスも行いながら進めるので手間と時間が大分かかります。それ故にこの状態まで持ってこれたときの爽快感はかなり高いです。ある意味我々の自己満足といえなくもないですが、お客様にも共感していただければ嬉しいですね。何はともあれ下まわりの綺麗なクルマは見ていて気持ちがいいですからね!!
  • アクスルハウジングの取り付け&シャーシーブラックの吹きつけが終わったフロントまわり。これからナックル取り付けの後アクスルシャフトを戻し、ハブの組み立てと作業を進めます。
  • まずはナックルの取り付けから行います。今回は動きの渋かったナックルのベアリングとダンプナーキットを交換。こちらが交換パーツ一式です。ベアリングが結構可愛らしいサイズなんです。
  • ベアリングの受け皿を圧入したのち、十分にグリスを充填したベアリングを取り付け。
  • 最後にキャップを被せてベアリング交換完了です。同じ作業を左右で4か所行います。
  • 続いてナックルを被せピンを刺し、まずは当たりが出るまでピンを締めこんでいき…
  • 最終的にはシムを挟んで固定します。
  • ナックルの取り付け完了。スムーズな動きも取り戻しました。
  • 左右ナックルの組み付けが終わったアクスルハウジングにハブを取り付けます。まずはアクスルシャフトを挿入し、バックプレートを装着しました。
  • 今回は動きの渋かったアクスルシャフトのユニバーサルジョイントも交換しました。コチラがニューユニバーサルジョイントです。
  • 圧力をかけながらシャフトとユニバーサルジョイントを切り離し、新旧ユニバーサルジョイントを入れ替えスムーズな動きを取り戻しました。
  • 続いてハブを装着。
  • ハブベアリングも新品に交換しています。
  • しっかりとグリスアップをした後ハブナットを締めて…
  • フリーホイールハブを組み込みました。
  • 最後にキャップを被せてハブ取り付け作業完了。フリーホイールハブも滑らかに作動するようになりました。
  • フロントハブの組み付けが終わった1969 Broncoです。続いてステアリングリンケージやブレーキまわりの作業を進めていきます。
  • フロントのハウジングまわりにステアリングリンケージやトラックロッドを取り付けました。これでだいぶ元の姿に近づいてきました。
  • フロントまわりの作業と同時進行で、後に取り付ける燃料タンクの下準備も進めておきます。まずはペイントから。下地を塗り十分に乾かしたら本塗りへ。
  • 艶やかに仕上がりました。
  • 塗料が十分に乾いたらホース類やセンディングユニットなどを取り付けます。もちろん全て新品パーツです。
  • ブレーキまわりも作業進行中。こちらも全て新品パーツを使って組み上げました。例外なく取り替えるホイールシリンダーですが、コレは新品でもブレーキフルードが滲んでしまう場合がありますので気が抜けません。エア抜き後再チェックです。
  • 最後、前後にブレーキドラムを被せてブレーキの組み付け作業完了です。
  • ボディ&シャーシーを仕上げるため、しばらくしまっていたエンジンをついにBroncoへと戻します。
  • エンジンが無事Broncoのフレームと連結されました。まだ多少ぐらつきますが、ミッションと繋げることでガッチリと固定されます。
  • エンジンに続いてはミッション&トランスファの搭載。このBroncoはMTなのでATに比べて軽いですが、それでも鉄の塊ですのでそれなりの重量があるミッション&トランスファ。これらとエンジンを連結することで安定感が高まります。
  • エンジン搭載と同時に、エンジンルーム内のパーツ取り付け、補機類の取り付けなど一気に作業を進めていきます。ニューブレーキマスターシリンダー&ブレーキラインも装着完了。
  • キャブレターなど燃料系のパーツもエンジンへの取り付けが終わりました。
  • エアクリーナーを装着して、らしくなってきたエンジンルームです。
  • ラジエター、ファン&ファンシュラウドを装着しいよいよ火入れ。毎回この瞬間は緊張するのですが、今回も302cid V8は元気よく目覚めてくれました。これから細かい調整をしながら細部を煮詰めていきます。
  • エンジンの火入れの儀式&調整が無事に終わり、下まわりの細かい作業に入った1969 Broncoです。
  • まずは先にペイントを施しておいたメインタンクを装着。
  • 続いて各所にブレーキラインを配置します。今回はマスターからフロント&リアのブレーキ関連パーツ全てを新品に置き換えています。
  • ブレーキライン、配線そしてフューエルラインをフレームサイドにレイアウトしました。
  • Broncoの下まわり、大物パーツの積み降ろしやメンテナンスは比較的容易に行えるのですが、各所のボルト&ナットもクリーニング後状態を確認しリペイントしてから使用していますのでかなり時間と手間がかかります。それでも一度仕上がりを見てしまうとやらずにはいられません。何より、スルスルと入っていくボルトは気持ちいいですからね。
  • 続いて整備のために外していたバンパーを装着。
  • やはり、バンパーを付けるとクルマが締まりますね〜。だいぶらしくなってきました。
  • カーペットを敷きました。まずは前後シートやロールケージを車内から取り除き、フロアにカーペットを置いて位置合わせを行いました。フロント部はフロアが立体的な作りになっていますのでカーペットを合わせるのに気を遣う部分です。寝ころびながら凹凸に合わせてカーペットを敷いていきます。
  • フロントからリアに向かって細かい位置決めを行い、端部を糊付けしていきます。
  • 位置決めが終わったら、各部をリテイナーで固定していきます。
  • フロント、センター、リア端部をアルミ製のリテイナーで固定しました。カーペットを固定するのに使うこのようなパーツも、インテリアの雰囲気を高めてくれる要素のひとつですね。この年代のクルマはクルマ作りに関して無駄を省くという概念がまだなかった時代に設計&製造されたこともあり、現代のクルマにはない魅力的な造形を数多く見つけることができます。このカーペットリテイナーもそんな作りのひとつではないでしょうか。
  • 最後にBroncoから外していた前後シートとロールケージを車内に戻してカーペットの貼り付け完了です。
  • エンジンの火入れ&調整後の調子も上々だった1969 Broncoでしたが、いざテストドライブへ! と出かけた矢先にトラブル発生!
  • そのトラブルは何か…といえば燃料漏れです。テストドライブでは実際の使用状況の中でBroncoを走らせなければなりませんので、燃料タンクを満タンにします。この際に燃料計の動きや燃料漏れをチェックするのですが、今回は写真のフューエルフィラーネックからの燃料漏れでした。
  • 原因はベントパイプと本体の溶接部に微細なクラックが入っていたため。燃料がパイプから滲みだしてくる感じでした。ここはボディの振動と燃料タンクからの振動の両方が伝わってくる場所で、常にストレスのかかる部分ですので、長年の使用により生じたクラックでしょう。このようなトラブルをお客様へのご納車前に出すためにも、テストドライブは欠かすことができない工程です。
  • 早速パーツを交換して問題のない状態へ戻しました。今回はエンジンオーバーホール後の様子見のためでしたが、全体的な作業が完了した後最終的なテストドライブを行います。
  • ドアまわりのウェザーストリップ交換。
  • リアゲートをグルリと囲むウェザーストリップはガイドの位置を微調整しながら取り付け。ゲートとウェザーストリップとの密着度を高めていきます。
  • こちらはリフトゲートシールです。リアゲートが上下分割式のBroncoはここも雨漏れのウィークポイントのひとつ。とはいえしっかりと対策を行えば問題ありません。リフトゲートシールとテールゲートとの密着度もしっかりと出すことができました。
  • A/Cキットのインストール中です。まずはラジエターやファンシュラウド&ファンなどを外します。隣ではPatina Package No.1が作業の模様を見守っていますね。どちらも1969yモデル、同じBoxwood Greenのボディカラーです。
  • フロント部がすっきりとしたエンジンにコンプレッサー用のマウントを装着。コンプレッサーも取り付けました。
  • 最近ではアメリカのA/Cキットでも日本製のコンプレッサーが多く使われています。やはり、信頼性が一番高いということでしょうね。
  • 室内では、純正のヒーターユニットを取り外してA/C本体をインストールする準備を進めています。
  • こちらがこれからBroncoに取り付けるA/Cキット。キットものとはいえ、配線はある程度作り込まないといけません。これが結構細かいので確認しながらの作業は時間がかかります。取り付けてみて動作不良…なんてことになっても、一度ホースを連結してしまうと、キットを降ろすのが難しいですからね。
  • エンジンルームではA/C本体に連結するホース類をレイアウト。室内へはヒーター用のダクトを使って引き込みます。中でホースが絡まないようにダクト内を這わすのも気を遣う作業です。
  • ホースの先にはドライヤーをセット。ホースのレイアウトと長さを決めてからカシメて連結しました。ただ繋げるだけならもっと楽にできるのですが、それでは美しく仕上がりませんからね。普段目に触れないところとはいえ、だからこそ気を遣って仕上げたいところです。
  • いよいよ本体を取り付け位置へ。純正ヒーターとほぼ同じサイズにはまとまっているのですが、ホースやワイヤリングの取り回しなどを気にしながらの位置決めになりますので細かい調整が必要です。日本でいうところのセットやキット販売品とはひと味違い、アメリカのキット製品はポン付けできるものがなかなかなくひと手間もふた手間も必要です。これは今も昔も変わらないですね~。
  • 位置決めのため仮置きしておいたA/Cキット、配線やホース類をレイアウトしながら正しい取り付け位置へと導きます。
  • Broncoのインストルメントパネル裏はかなりタイトなため、フロアに寝転がり頭を突っ込んでの作業になります。深部は手探りでの作業になることも…。
  • 同時にエンジンルームではコンデンサの取り付けや…
  • 配線&ホース類のレイアウトを進めています。
  • ホースは各行先までの長さを合わせてレイアウトを決めた後…
  • 専用のカシメツールでホースとアダプターを連結。コンプレッサーなどと繋ぎ合わせました。
  • これでコンプレッサーまでのホースレイアウト完了です。
  • A/Cのホース類のレイアウトが終了したエンジンルーム、続いてクーリングファンやラジエターを装着し元の姿へと戻していきます。しかし、このファンが結構曲者。コンプレッサーと干渉してしまう場合があります。
  • 今回もスペーサーを活用して絶妙な位置へと誘導しました。ただし、コンプレッサーから離すだけではなく、ラジエターとファンとのクリアランスも考えなければなりません。今回はそちらもクリア。
  • しかし、ファンはうまく逃がすことができましたが、ファンシュラウドがコンプレッサーと干渉してしまうため加工を施します。元の成形ラインを活かしながら干渉する部分をカットして…
  • 綺麗に逃がすことができました。クリアランスもいい感じです。
  • 大体のホースレイアウトが決まったのちラジエターオーバーフロータンクをインナーフェンダー上に装着。
  • ここまで来ると作業は一気に進みます。ラジエターを装着し、最終的なホースレイアウトを決定。エンジンクーラントの補充やA/Cの作動チェックなどを行いました。
  • そしてA/Cガスチャージです。A/Cを作動させ冷気の出具合をチェック。走りながらクーラーの動作確認も行いました。
  • A/Cのインストールも終わり仕上がり間近の1969 Bronco、シャワーテストを行いました。ボディをグルリとひとまわりシャワーをかけて各部の水漏れをチェックします。
  • 今回はウインドシールドシールを交換しているので、いつも以上に念入りにチェック。
  • そしてテストドライブへ。
    まずは、いつもどおり弦巻を出発して住宅街をスルー。途中すれ違う女子高生には「このクルマかわいい〜」、子供には「カッケー!!」などと声を掛けられ…。Bronco人気ありますね。
  • サンセット間近の高速道路へと歩みを進めます。久々マニュアルBroncoでの高速走行ですが、やはりAT車とはダイレクト感が違いますね。しかもこのBroncoには4bblのキャブレーターが載っていますのでエンジン高回転域の吹け上がりがとても気持ちいいです。
  • 高速巡航した後にはそのまま街中の渋滞へ突入。ここからはしばらくストップ&ゴーの繰り返し。高速走行を続けてきたBroncoにはストレスのかかるシチュエーションです。
  • 街中も問題なくスルーできたBronco。再び高速道路に乗って岐路へ、途中の小休止中。
  • 陽もだいぶ落ちて来て青とオレンジの混ざり始めた空がいい感じです。
  • 高速道路の小休止ではチンチンに熱くなったエンジンのキレ具合と再始動の状況をチェック。どちらも全く問題なしです。ここからはヘッドライトオンでナイトドライブとなります。Broncoのメーターはライトをつけた時のぼんやりと映しだされる文字盤の雰囲気がとてもいいんです。
  • ナイトドライブも終え無事に弦巻に戻ってきました。テストドライブの結果も上々だった1969 Bronco Patina Package No2。細かい調整をしながら最終仕上げを行います。
  • 1969 Bronco Patina Package No.2遂に完成です。
    当初のコンセプト通り車高は2.5インチアップ。15x8Jのスチールホイールに31×10.50サイズのATタイヤを組み合わせています。
  • リアのカットフェンダー+オーバーフェンダーの効果も相まって、4WDらしい腰高なスタイルを作り出せました。
  • オリジナルペイントと錆の共演。このテイストは作ろうと思って作れるものではありません。
  • ドア部の錆もあえてそのまま残してあります。
  • エンジンはBroncoから降ろしてオーバーホールを実施。Ford Blueへとリペイントした後Broncoへと戻しました。4bblキャブレター、そして3速M/Tとの組み合わせでキビキビとした走りが楽しめる仕上がりです。
  • 下まわりは外せるパーツを全てBroncoから取り外しクリーニング&メンテナンスを行ったこともあり、とてもクリーンな仕上がりとすることができました。前後アクスルやスキッドプレートなど各パーツが艶やかに輝いています。
  • 4WDは下まわりが見えやすいですからね、綺麗に越したことはありません。
  • インテリアでは、シートスキン&シートフォームの交換のほかカーペットを敷いています。
  • 2.5インチのリフトアップに合わせてロールケージもインストール。4WDらしさが増しています。
  • 最後にブルーオーバルの入ったフロアマットを敷いてインテリアの準備完了です。
  • 完成した1969 Bronco Patina Package No.2の後ろには同じくPatina Package No.1が並びます。