RESTORATION

1971 Ford Bronco Sport Vol.1

AFTER

BEFORE

■この車について

  • 日本に向けての出発を待つ1971 Bronco Sportです。
  • 日本到着後、早速Restoreプロジェクトを開始しました。まずは、リアフェンダーを中心としたボディのリファインを行うべく、日本到着後にボディショップへとBroncoを持ち込みました。すでに各所パネルが剥がされている状態です。全体的にボディ表面を整えて、オリジナルカラーのWimbledon Whiteへとリペイントします。
  • フロントフェンダーを取り外しインナーフェンダーを露出。インナーフェンダーも耐候性などを考慮した処理を行います。
  • リアフェンダーは純正のアンカットフェンダーへと戻します。こちらはドライバーサイド。給油口の位置合わせをしっかりと行い、インナー及びアウターフェンダーの処理を行います。
  • フロントグリルも取り外し、コアサポートもボディ同色へとリペイントします。
  • インテリアはエクステリアの次に手を入れていきます。ドライバーズシートを残して他のシートは取り外しました。
  • 取り外された前後フェンダーを戻すべく、下地処理を進めています。
  • 平行して取り付け用のリアフェンダーパネルの準備を進めます。Broncoはデュアルタンクが標準仕様ではないので、新しいリアフェンダーパネルにフィラーネック用の穴が空いていませんので、現車で位置合わせを行い、新にフィラーネックを取り付ける穴を開ける必要があります。穴開け作業が無事完了しました。
  • こちらはパッセンジャーサイドです。新しいリアフェンダーパネルの位置合わせ中。微妙な位置調整を行いながら取り付け位置を決めていきます。
  • フロントフェンダーパネルはオリジナルの物をそのまま使用します。元のペイントを剥がしサフェ―サーの状態まで仕上がりました。この状態でボディへと戻し、ペイントが行われます。
  • ペイントへ向けたボディ各所の処理も平行して行われています。こちらはウィンドシールドフレームです。ウィンドシールドを取り外して一部鈑金などの処理を行いながら、フレームまわりの下地を作っていきます。
  • 下地が完成したエンジンフード。
  • 下地が完成したリフトゲート。
  • 下地が完成したテールゲート。
  • 下地が完成したフロントフェンダー。
  • フロントグリルはまだ作業前ですが、それぞれスムージングが終了した後、サフェ―サーの状態まで作業を進めておきます。
  • 各ボディパーツに続き、ボディ本体も各部補修を開始します。
  • こちらはBroncoのウィークポイントのひとつとなっているインナーフェンダーです。雨水の通り道になっている箇所で、ダメージを受け易いポイントです。
  • 錆びている部分を取り除き、防錆処理を行った後元の形に作り直します。
  • ウィンドシールドフレーム下部も手をれ入れます。装着されていたライトバーを取り外した跡の穴埋めを行います。
  • 前後インナーフェンダーの外側は、錆や汚れを落としたのちに防錆処理を行い、湿度の高い期間が長い日本の気候に合わせてアンダーコートを吹きつけます。
  • リアインナーフェンダー外側の錆処理を終了した後、リアフェンダーの最終的な位置決めを行いました。
  • ショルダーラインやホイールアーチの立体的なプレスライン、パネル下端のチリ合わせが終了した左右リアフェンダーです。長年の歪が蓄積されているオリジナルのボディに新しいボディパネルを合わせるのはかなり苦労しました。しかし、これで美しいアンカットフェンダーを取り戻したことになります。
  • この後インナーフェンダーとリアフェンダーを溶接で接着し、ボディパネル間の隙間も埋める作業を行います。さらに、ボディの他部もペイントに備えて下地作りを進めています。
  • エクステリアに続いて、インテリアもペイントに向けて準備開始です。不要なシートやパネル類を取り外しました。
  • こちらは左右のホイールウェル&クォーターパネル。錆びやダメージなどがなくとてもいい状態を保っています。
  • リアフェンダーの位置決めが完了した1971 Bronco。
  • Wimbledon Whiteに綺麗に塗り上がったエンジンルームです。
  • バルクヘッド&カウルパネルも綺麗な仕上がりです。
  • Broncoのウィークポイントのひとつ、左右インナーフェンダーの付け根の傷んでいた箇所も新車然の仕上がりとなっています。
  • こちらはラジエターコアサポート。
  • 左右ホイールウェル。
  • インナーフェンダーの外側は、耐候性の強いアンダーコート仕様になりました。
  • こちらがペイント前のエンジンルーム。見違える仕上がりです。
  • エンジンルームのペイントが完了した1971 Bronco、続いて室内の作業を開始しました。
  • 前後シートやフロアに固定されているシートベルトなどを取り外し、リペイントに向けて面出しの作業を行っていきます。
  • フロアを浚いながら古いペイントや錆、ゴミなどを取り除いてスムースな面を作り出します。
  • フロアの状態はとても良く、大きな錆やボディの痛みはありませんでした。
  • 室内のリペイントに向けて下地作り進行中です。
  • リアシート、そしてカーゴスペース各部の錆や汚れを削り落として、綺麗な面を作り出しました。
  • ヘッドライナーも取り外し、ルーフも下地作りを行っています。
  • サフェ―サーが吹き終わった左右Wheel Wellです。この状態でもスベスベの触り心地です。この後一度面砥ぎを行ってから、Wimbledon Whiteの本塗り開始です。
  • こちらはリアクォーターウィンドー部。完成後目に見える部分だけではなく、ウィンドウシールが収まるレールも綺麗に仕上がっています。
  • フロントセクションは下地作りが終了した状態。これからサフェ―サーの塗布を行います。
  • フロアへの吹きつけも終わり、室内リアセクションのサフェ―サー塗布完了。まだサフェ―サーの下塗りの状態ですが、ボディに色味が入ると雰囲気が一気に変わります。
  • エクステリアの下塗り開始。古いペイントを落としながら面出しを行います。特にRがキツイ部分はしっかりと面出しをしておかないと、本塗後に表面に凹凸ができてしまいがちです。
  • サフェ―サーの下塗りが完了したリアクォーターパネルです。滑らかな表面に仕上がっています。
  • この後面砥ぎを行うと、サフェ―サーながらスベスベの触り心地に。
  • こちらはテールライトまわり。
  • 今回の鈑金の肝といえる箇所のひとつ、アンカットフェンダーも下塗り完了です。フェンダーのチリ合わせに時間をかけたこともあり、前から後ろまでシッカリと繋がりのあるボディラインが形成されました。
  • ルーフも綺麗に塗り上がっています。
  • エクステリアへのサフェ―サー吹きつけが完了した1971 Bronco。
  • 室内の本塗りに向けて、マスキング中の1971 Broncoです。今回色を乗せないエクステリアはしっかりとマスキングします。
  • 室内に続いて、エクステリアの本塗りの準備中です。サフェ―サー塗布後の面砥ぎも終わり、スムースな表面が作り出されています。
  • エクステリアの本塗りの前に、ルーフに開けられている穴の補修を行います。
  • ルーフ以外のボディを全体的に覆い、穴を溶接で埋めた後に面出しを行って滑らかな表面を作り出します。
  • ボディの本塗りの前に、ルーフの手直しを行っていた1971 Broncoですが、作業が完了しました。
  • 綺麗に面だしが行われているルーフです。若干あったパネルの歪みも修正され、綺麗なアールが作り出されています。
  • 修正前のルーフです。ルーフキャリアが取り付けられていた跡です。
  • エレベーターで塗装ブースのあるフロアまで移動。いわゆるがらんどうのボディなので、Broncoを動かすのも止めるのも全て人力です。
  • ルーフを取り外し、無事に塗装ブースへと収まった1971 Bronco Sportです。
  • これからWimbledon Whiteの本塗りの開始です。
  • 塗装ブースに収まった1971 Bronco。
  • 左右ドア、フロントグリル、そしてボディ各所のボルトや細かいパーツなどもリペイントされました。
  • Sportグレードゆえ、フロントグリルにはグリルモールを境にシルバーが入ります。
  • こちらは左右フロントフェンダー。
  • そしてエンジンフードです。艶やかに仕上がっています。
  • ボディ外側の本塗りが完了しました。ペイント完了しブースから一度Broncoを出してエンジンフードを載せました。だいぶクルマらしい姿を取り戻しますね。
  • テールゲートのFORDレターはエンジでペイントして浮き出させています。
  • 続いてはルーフをペイントします。今は下地の状態ですが、このままでもスベスベの状態。
  • ルーフに開けられていた穴も綺麗に処理されています。塗らなくてもいいかな!? ということはありません。しっかりとWimbledon Whiteでペイントしますよ。
  • ボディのペイントが終了したBroncoにハードトップを載せます。
  • こちらはリアフェンダーのショルダー部。ニューペイントのボディはみずみずしいスベスベお肌状態です。特にアール部分の触り心地がとても気持ちいいですね。
  • インストルメントパネルもWimbledon Whiteへと染まりました。
  • ハードトップの塗装も完了です。磨きも終了し、Broncoに載せる準備は万端。
  • マンパワーによりハードトップがBroncoへと戻りました。ここまでくれば完成が一気に近づきます。
  • 塗装ブースから出て、作業スペースへと向かうエレベーターを待つBronco。続いては各部ボディパーツやガラスなどを取り付ける作業に移ります。
  • ボディへのペイントが完了し、塗装ブースから作業スペースへと戻ってきた1971 Bronco Sport。続いて、各ボディパーツの取り付けを行っていきます。
  • フロントグリル。中央がシルバーへとペイントされ、グリルモールも元通り取り付け済みです。
  • 左右フロントフェンダー。
  • 左右ドアです。
  • まずはリフトゲートの取り付けが完了。
  • フロントフェンダーを取り付け中です。が、どちらもボルトでボディ本体へと固定するのですが、自由度がわりとあるのでしっかりと位置合わせを行いながらボルトを締めつけていかないと、最終的にボディパネルの位置がガタガタになってしまうため、慎重な作業が要求されます。フロントフェンダーは、グリルを取り付けた後にエンジンフードとの位置わせも必要になります。
  • 続いてボディ左側の作業に取り掛かります。
  • ワイパーモーターカバーやサンバイザー、そしてルーフライナーの取り付けが完了しました。
  • エクステリアのレンズやモール類も順次取り付けていきます。
  • Garageでは1971 Broncoから降ろした302cid V8エンジンのオーバーホールが進行中です。まずは長年蓄積された各部の汚れ落としから始めます。
  • 左右ドアやフェンダー、フロントグリル、ガラス、バンパーなどなど、ペイントのために取り外していたパーツがBroncoへと戻り、レストアプロジェクトの一環として行っていた鈑金作業が遂に完了しました。
  • クロームボディモールディングやロッカーパネルクロームトリムはオリジナルパーツを再使用して組み上げました。最終仕上げの磨き…は弦巻にて行います。
  • ウィンドウモールディングやハードトップドリップレイルクロームもオリジナルパーツを使用しています。ボディにクロームパーツが戻ると、華やかさがグッと増しますね。
  • フロントグリル…レンズ類がないとチョッピリ怖いですね。ヘッドライトやウィンカーは後々取り付けます。
  • ボディワークが完了したBronco、弦巻ではエンジンオーバーホールが進行中です。
  • まずは各部の汚れをクリーニング。こちらはシリンダーヘッドの作業の模様です。古いガスケットや大まかな汚れを落としていきます。
  • 細かい部分もワイヤーブラシを使って磨いていきます。
  • シリンダーブロックとの当たり面は、オイルストーンで滑らかな面を作り出しました。
  • 続いてはバルブとシリンダーブロックの摺り合せを行います。今回インテーク、エグゾースと共に新しいバルブを使うため、この作業が必要になります。
  • 摺り合せが完了したシリンダーヘッドとバルブです。
  • 各部クリーニングの終わったシリンダーブロックに、クランクシャフトを戻す準備中です。
  • クランクシャフトとキャップのメンテナンスが終了しましたので、シリンダーブロックへと戻します。
  • メインベアリングはもちろん新品を使います。
  • 新しいベアリングの上にクランクシャフトを載せて…
  • キャップを被せます。
  • 既定の順番とトルクでシッカリと固定。
  • 各部にオイルを充填してクランクシャフトの取り付け完了。
  • メンテナンス後、クランクシャフトの取り付けが完了したシリンダーヘッドです。続いてはピストンをインストールします。
  • ピストンのクリーニングを行います。専用のクリーナーを用いながら、カーボンなどの汚れを落としました。
  • 各ピストンから取り外したピストンリングとコネクティングロッドベアリングです。どちらも新品に交換してシリンダーブロックへと戻します。
  • 1本ずつクリーニングを進めていたピストンの作業が完了しました。
  • カーボンなどの堆積物も綺麗に除去できました。
  • ピストンリングが収まるスロット内部も綺麗になりました。
  • 今回使う新品のピストンリングとコネクティングロッドベアリング。せっかくエンジンを開けているのですから、この辺りの消耗品はしっかりと交換しておきます。
  • クリーニングが終了し、新しいピストンリングを装着したピストンをシリンダーブロックへと戻しました。ピストンリングコンプレッサーを使って軽く叩きながらながら、ピストンを1本づつシリンダーへと戻していきます。
  • 1本入ったらエンジンを裏返してコネクティングロッドキャップを装着。この作業を8本分行います。
  • 全てのピストンを戻し終えたら、ナットを規定トルクで締め付けてコネクティングロットとクランクシャフトをしっかりと連結。
  • シリンダーブロックにピストンが戻りました。
  • ピストンが戻ったシリンダーブロックに、引き続き取り外していたパーツを戻しています。こちらはオイルポンプとオイルストレーナー。エンジン内部にオイルを送っている重要なパーツです。
  • 続いてタイミングチェーン。こちらは今回も新品を組み込みました。これでクランクシャフトとカムシャフトの動きが連動しました。
  • オイルパンも装着。最終のFord Blueへのリペイントへの準備で古いペイントを剥がして磨いてあります。全てのボルトを均等の力で締め付けて作業完了。ひと晩置いてガスケットの乾燥を待ちます。
  • オイルパンに続いて、ウォーターポンプを装着しました。
  • 続いてフリーズプラグの打ち込みです。
  • フリーズプラグはシリンダーブロックのクリーニング時に抜いておき、同時にウォータージャケットのクリーニングも行いました。ここから水を流し込むと石化した堆積物などを洗い流すことができます。
  • 続いてはシリンダーヘッドを載せます。新しいバルブを組み込み済みのシリンダーヘッドです。
  • ニューガスケットを敷いてシリンダーヘッドをシリンダーブロックへ載せました。
  • 規定トルクでボルトを締め付けます。
  • 左右バンクにシリンダーヘッドが載りました。ココまで来ると、302cid V8エンジンがだいぶメカメカしい姿を取り戻してきます。
  • 続いてタペット&プッシュロッドの取り付け。
  • さらに続いてロッカーアームを取り付けました。
  • ロッカーアームそれぞれをナットでしっかりと固定して、シリンダーヘッドの取り付けが完了となります。
  • 続いてはオイルフローの確認作業です。フレッシュなオイルをエンジンへと注ぎ…
  • 人力でオイルポンプを回しながらシリンダーヘッドまでオイルが上がってくるかを確認します。
  • オイルポンプを回し続けること数分、プッシュロッドを介してロッカーアームまでオイルが運ばれ流れ出てきました。
  • 全てのロッカーアームで確認できればオイルフローチェックの完了です。問題なく全てのロッカーアームでオイルフローを確認できました。
  • 次なる作業はインテークマニフォールドのメンテナンスです。最終的なFord Blueへのペイントに向けて古い塗装を剥がし、各部堆積していたゴミなどを取り除きます。
  • メンテナンスを終えたインテークマニフォールドをエンジンに載せました。
  • シリンダーヘッドとインテークマニフォールドが戻った302cid V8エンジン、Ford Blueへのペイントへ向けて準備を進めます。
  • 塗装用のバルブカバーを装着し、各部マスキングを施しました。
  • はじめに下地を塗ります。
  • 続いてFord Blueの本塗りを行います。均一なペイントになるよう、数回に分けてFord Blueを吹きつけました。
  • Ford Blueへと染まったエンジン。このままひと晩置いて塗料の乾燥を待ちます。
    乾燥を待った後、302cid V8エンジンに補機類を取り付けていきます。
  • 各プーリー、クーリングファン、ラジエターホース。
  • エキゾーストマニフォールド、遮熱版などを取り付け。塗装のために施していたマスキングも外しました。
  • エンジンのオーバーホールはこれで完了。Broncoに搭載するまでひとまずこのまま保管します。
  • その頃Broncoはといえば、鈑金工場を出て整備工場へと向かっていました。
    ここから暫くはBroncoの下まわりやブレーキまわりのメンテナンスを行っていきます。

    Vol.2へ続く。