RESTORATION

1974 Ford Bronco Ranger Vol.3

AFTER

BEFORE

■この車について

オクラホマシティからやって来た1974 Bronco Rangerです。1974年の5月に購入してから42年の長きにわたりこのBroncoを大切に所有してきたオリジナルオーナーから譲り受けました。全てにおいてオリジナルコンディションを保っています。オリジナルペイントのSamoa Limeの他、極力オリジナルのコンディションを活かしリファイン作業を行いました。

  • エンジンの組み立て作業に平行して、Broncoのエンジンルームクリーニングも行いました。全体的にSLカラーが蘇ったエンジンルームです。汚れを落としてみると、オリジナルペイントが残っているこのBroncoのコンディションの良さを改めて感じることができます。
  • 左右インナーフェンダーや…
  • バルクヘッドなども汚れを落としたのちに磨き上げました。
  • パワーステアリングのギアボックスまわりも綺麗になりました。この辺りは長年蓄積されたオイルなので汚れが酷くなりやすい場所でもあります。
  • こちらがクリーニング前のエンジンルームです。作業後のエンジンルーム、ひと皮むけて明るい色味になっています。
  • オーバーホールを終え、準備の整った302cid V8エンジンを、いよいよBroncoへと戻す時が来ました。
  • Broncoが待つ工場へとエンジンを運びます。今回はUNIC出動。200kgちょっとあるエンジンを軽々と持ち上げますね。
  • クリーニングも終了し、エンジンの取り付けに向けて準備万端のエンジンルームです。
  • 梱包から解いたエンジンをチェーンブロックで吊りあげてBroncoの元へ。
  • フレームの定位置へとエンジンを降ろし、フレームと連結しました。
  • 無事にBroncoへと心臓が戻りました。Ford Blueに染まったエンジン、Samoa Limeとの色合いもいい感じですね。
  • Broncoにエンジンが戻りました。続いては、ミッション&トランスファの取り付けにかかります。
  • レックスプレートを装着して…
  • ヘビー級のミッション&トランスファをフレームとエンジンへと連結しました。
  • こちらはトランスファレバーのリンク部に被さるダストブーツなんですが、汚れてはいたもののとてもいい状態で残っていました。オーナーに大切に扱われ来たことをうかがい知れます。汚れを落とすとこの状態。この部品が残っているBroncoは少ないんです。
  • エンジン、そしてミッション&トランスファがBroncoへと戻り、ひとつの大きな節目を越えました。ここからの大きな目標はエンジンへの火入れとなるわけですが、その前に細かな作業を幾つかこなしていきます。
  • エンジン搭載後にブレーキマスターシリンダーを装着。
  • 空いているスペースが多く、まだちょっぴり寂しいエンジンルームですが、これから補機類を装着していくと徐々に賑やかになっていきます。
  • エンジンルームを仕上げる前に、まずは下まわりのメンテナンス。高圧洗浄機で細部に溜まっていた汚れも洗い流し、シャーシーブラックを塗布します。
  • ロント、そしてリアセクション、フロアなどがシャーシーブラックに染まりました。
  • 下まわりのクリーリング&シャーシーブラックの塗布がほぼ完了したSL号。続いてエンジンルーム内の作業に移ります。
  • オーバーホールのために取り外していたエンジン回りのパーツを順次取り付けています。エキゾーストマニフォールドやパワーステアリングポンプ、そしてクーリングファンなどなど。
  • コンプレッサーやコンデンサ、ドライヤーなど、新たに追加するエアーコンディショナー関連のパーツも一緒に組み付けました。
  • エアーコンディショナー関連のホース類やワイヤリングのレイアウトも決めながらエンジンルーム内の作業を進めています。
  • エンジンルーム内のレイアウトが大方完了したところで、作業は室内へと移ります。
  • 現状取り付けられている吊り下げ式のA/Cを取り外します。
  • 吊り下げ式のA/Cの取り外しが完了し、インストルメントパネル下がかなりスッキリとしました。いらなくなった配線類も整理が必要です。
  • A/C用の配線の他にも、過去取り付けられた様々な装置の配線も取り外し、一度純正仕様へと戻します。1本1本追いかけて不要な線を撤去しました。
  • 純正ヒーターユニットも取り外して…
  • インストルメントパネルの裏側がスッキリとしました。普段目にしないこういう裏側などを見ると、改めてこのクルマのコンディションの良さを認識することができますね。
  • 新しいA/Cキットをインストールするために、純正ハーネスのリロケーションとA/Cキット用の配線を準備しておきます。
  • A/Cキット本体を取り付ける前に、コントロールスイッチを組み込みます。まずは、ストックのヒーターコントロールスイッチを取り外して…
  • スイッチインフォメーションと各スイッチを取り付けました。純正の雰囲気を大きく崩さないデザインになっているのが嬉しいポイントです。
  • コントロールスイッチに引き続きA/Cキット本体の取り付けです。
  • あらかじめ必要な配線などの取り付けを終わらせておき、所定の位置へと本体を滑り込ませていきます。
  • A/Cキットが所定の位置へと収まりました。本体のサイズ感がBroncoのインストルメントパネル裏側のスペースにジャストフィットする作りになっているので、かなりタイトな作業となりました。
  • A/Cキットの取り付けは大きな山場をひとつ越えました。
  • A/C取り付け、室内での作業が完了しましたのでエンジンルーム内の作業へと移ります。
  • ドライヤーやコンデンサーなどといった周辺パーツの取り付けから始めます。
  • すでに取り付けてあるコンプレッサーまでホースをレイアウト&連結しました。
  • ラジエターやファンシュラウドも装着。
  • ATラインをラジエターへと連結しました。
  • 火入れの儀式に向けてキャブレター装着。
  • 燃料ライン&ディストリビューター
  • アクセルペダルからキャブレターまでのリンケージやその他細かなパーツを取り付け。
  • ディストリビューター内部のコンデンサーやポイントギャップなどもチェック。
  • 火入れの準備が整ったエンジンルームです。リファイン作業開始時から比べると見違えました。
  • エンジンへの火入れが終了したSL号。細部の仕上げに取り掛かります。
  • エンジンの調整を行いつつ、ATFの量も調整。
  • キャブレターに被せるエアクリーナーボックスは古いペイントを剥がして地を出した後に…
  • エンジンと同じFord Blueでペイントしました。鮮やかに染まりました!!
  • 新しいサブガソリンタンク装着のために、タンクガードもお色直しです。錆びや汚れなどを綺麗に削り落としてリペイントしました。
  • 今回用意したニューサブタンク。センディングユニットやフィラーホースなども新品を取り付けてBroncoへの取り付け準備完了です。
  • エンジンの火入れ&調整が終了したSL号、エンジンルームの仕上げに平行してインテリアの仕上げにも取り掛かりました。まずはヘッドライナーを取り外して汚れ落としと防水処理を行いました。
  • コチラがBroncoのヘッドライナーの前側です。
  • 前後2分割式なのですが、クルマから降ろすとかなりのサイズがあります。作業中の保管にもひと苦労…。
  • ワイパーモーター&リンク部も動作確認やグリースアップを行います。
  • リアクォーターパネルを外したリアフェンダー内部です。汚れてはいたものの、汚れを落とせばこの通りの綺麗なボディが残っています。
  • 細部を見れば見るほど、この個体の持つコンディションの素晴らしさを認識できます。
  • 最終チェックに向けて、細部の仕上げ進行中のSL号です。ニュータイヤの準備が整ったので、作業用のタイヤからニュータイヤへと履き替えます。
  • イヤ&ホイールの付け替え完了。足元がリニューアルされて、佇まいがシャンとしました。
  • 続いてはウェザーストリップの交換です。こちらはドアまわり。古いウェザーストリップを剥がし、ボディに残った接着剤も取り除きました。
  • 新しいウェザーストリップをアッパー&ロアとも装着。こちらはロアの写真です。
  • テールゲートのウェザーストリップも交換しました。
  • この年式はリフト&テールゲートまわりのウェザーストリップが一本物なので、かなりの長さになります。
  • 鍵やドアハンドルのリンクやグラスランなど左右ドアの内部も、インナードアパネルを外して点検しました。防水処理を施してインナーパネルを取り付けます。
  • ウェザーストリップに続いてドアまわりの作業進行中。ベントウィンドウのピボットピンを交換しました。まずはドアからベントウィンドウを取り外しました。
  • このピンを軸にベントウィンドウが回転します。
  • この軸は経年とともに錆と疲労でこのように折れてしまいます。こうなると交換するしか手はありません。
  • ベントウィンドウのフレームからガラスを抜き古いピボットピンを取り外し、新しいピンに差し替え。再びガラスをフレームへと戻します。
  • ピンを打ち換えたベントウィンドウをドアへと戻し、開閉具合をチェックしました。スムース&節度間のある動きを取り戻しました。
  • 各部の調整&防水を施したのちにインナードアパネルを取り付け。
  • ドアまわりの作業完了です。
  • 整備がほぼ完了に近づいたSL号をテストドライブに連れ出しました。
  • まずはガレージの近場を走りながら、スイッチ類や電装品、ブレーキなどのチェックを行いました。
  • いよいよいつものテストドライブコースへと連れ出します。住宅街を抜けて…
  • 高速道路へ。高速道路では走行車線での一定速走行から、追い越し車線に出ての加速、高速域からのブレーキングなど繰り返しテストを行いました。Broncoには一般道よりもさらに高負荷がかかることになります。そんな状況でもSL号は終始安定した走りを見せてくれました。
  • サービスエリアで束の間の休息。とはいっても、エンジンが熱々のうちに再始動性をチェックして、早々に本線へと戻りました。
  • そして、高速道路を降りて渋滞気味の道路へと入ります。こういう状況では水温が上昇傾向になりましたが、走り出せばすぐに安定するので問題ありません。
  • SL号は特に気になる所もなく快調な走りでテストドライブを終了。完成まで間もなくです。
  • テストドライブを終えたSL号、最終仕上げを行っています。隣に並ぶは、納車に向けて準備を開始するため弦巻へと移動した1977 F-150です。
  • SL号、まずはA/Cのガスチャージを行いました。いつもお世話になっている電装屋にて。
  • 最終仕上げ中です。エクステリア、インテリアのクリーニング、各部締め付けなどの点検を行いました。
  • オクラホマからLA、そして横浜への長旅を終えて弦巻に到着したSL号、他車の納車整備が重なっていたこともあり、到着から約半年かかりましたが、我々も満足のいく内容に仕上げることができました。
  • Samoa Limeのオリジナルペイントそしてレンジャーラインの残る貴重な個体をベースにしています。
  • エンジンフードやボディサイドに入るレンジャーライン。とてもいい状態を保っています。ヤレ具合もいい感じです。
  • ワンオーナーBroncoならではのコンディションは、インテリアにも残されていました。オリジナルのステアリングホイールに、貴重なハーフムーンも装備されています。
  • 奇跡的にとても綺麗な状態で残されていたシートは、シートフォームのみ交換を行い、コンモリとした張りを取り戻しました。
  • インストルメントパネルに備わるスイッチ類やグローブボックスのRangerバッジは新車当時からのオリジナルアイテムです。
  • カーペットは極力オリジナルの色味や素材に近いものを選び出し張り替えました。こだわりの仕上がりです。
  • カーゴルームやテールゲートのカーペットもご覧の通り新車時のコンディションを取り戻しています。
  • しっかりとメンテナンスが行われてきた形跡のあった302cid V8エンジンは、当店にてオーバーホールを行いました。
  • より安定感のある、スムースに吹け上がるエンジンに仕上がっています。フォードブルーにリペイントの後、Broncoへと戻しています。
  • Broncoを仕上げる際に、一番手間と時間を費やすのが下まわりです。
  • アクスルハウジングはもちろん、ミッション&トランスファや燃料タンクなど外せるパーツを全て取り外し仕上げています。結果、この艶やかな下まわりに仕上げることができました。
  • Early Broncoの中で最も新しい1977yモデルでもラインオフから40年が経つ今、ここまでオリジナルコンディションを残した個体を手にできるのはかなり奇跡的なことといえます。この個体はすでにSold Outとなっていますが、当店では今後もこのようなコンディションのBroncoを1台でも多く手に入れていきたいと思っております。