RESTORATION

1975 Ford Bronco Ranger “Glen Green”

AFTER

BEFORE

■この車について

Ontario, CAからやってきた1975 Bronco Rangerです。この個体はGlen Greenというとても珍しいエクステリアカラーを持つ個体で、オリジナルコンディションを保っているとても貴重な1台。しかも、Glen Greenのエクステリアカラーを持つ 1975 Bronco Wagonは290台が製造されたのみで、その内Rangerトリムを持つ個体は何とこの1台のみ!まさに激レアな、Only 1のBroncoです。
このBroncoをベースに、オリジナルパーツを活かしながらカリフォルニア&ガレージ弦巻にて仕上げを行いました。

  • 一見するとイエローに見えるGlen Greenカラーですが、じっくり眺めているとイエローと言うよりは、黄緑色に近いカラーであることがお分かり頂けると思います。
  • '75年式のブロンコには28種類のカラーバリエーションが存在したのですが、滅多に見かけることのないレアカラーです。
  • '75 U-100 Bronco Wagonは13,125台が製造され、その内、Glen Greenのエクステリアカラーを持つ個体は290台、さらにその内でRanger トリムを持つ個体はこの1台のみ。改めてその希少性には驚かされるばかりです。
  • エクステリアペイントは前オーナーによって一度、リペイントされており、ボディペイントのコンディションも良いことから、今回はエクステリアの作業は行わずに、現在の状態を生かすことになりました。
  • この個体の前オーナーはリペイント作業も拘りを持って行っていたようで、ボディ表面以外はペイントされていません。ドアピラーポストなどは一緒にペイントされがちな部分なのですが、オリジナルペイントの状態をキープしています。
  • 次に貴重なGingerカラーのRangerインテリアですが、こちらはオリジナルの状態をほぼ完璧に維持しており、今回は若干のダメージが見受けられるドライバーズシートの格子柄部分の補修とシートフォームの交換作業のみ行いました。
  • こちらがドライバーズシートのダメージ部分です。若干の生地の解れが確認できます。今回はオリジナルのマテリアルを生かすため補修を行います。
  • カーペットは前オーナーによって貼り替えられており、とてもクリーンな状態です。
  • ダッシュ下に取付けられている吊り下げ式無線ラジオは取り外し、この場所には高温多湿な日本での使用を考慮し、エアコンユニットがインストールされます。
  • ドライバーズサイド、パッセンジャーズサイド共に貴重なRangerトリムのドアパネルはとても綺麗な状態です。
  • アームレストもオリジナル品が綺麗な状態で残っていましたので、今回はNewパーツに交換せず、このオリジナルパーツを生かすことにします。
  • ダッシュパッドもオリジナル品が傷一つなく完璧な状態を保っています。
  • リアベンチシートもご覧の通りとてもクリーンな状態です。アームレストもオリジナルパーツが使用感なく保持されています。
  • 今回は経年劣化が避けられない、シートフォームの交換のみ行います。
  • リアクウォーターパネルもRangerトリムのオリジナル品が完璧な状態で保持されています。
  • エンジンルームはカリフォルニアにてエアコンユニットのインストールのみを行い、日本到着後、Garage弦巻にて、エンジン&トランスミッションを一旦降ろし、総点検を行った上で、必要に応じてオーバーホールを行います。
  • すべての面において貴重なオリジナルコンディションを保った1975 Bronco Rangerです。
  • エアコンのインストールのためA/Cショップへと入庫しました。早速エアコンインストールの為の準備が進められています。
  • グローブボックスドアが取り外され、グローブボックスライナーも外されました。
  • ヒーターコアユニットも取り外されました。この位置にエアコンのユニットが装着されます。
  • 吊り下げ式のラジオ無線機も取り外され、アッシュトレイも取り外されました。ヒータースイッチノブ、テンプノブ、デフロストノブが取り外され、新たにインストールするヴィンテージエアのノブが装着されます。
  • クーラントも抜き水まわりの引き直し作業に備えます。
  • A/Cショップでのエアコンインストール完了です。
  • Newヴィンテージエアのキットが装着されました。
  • 新しいタイプのヴィンテージエアキットはセンターと左右ふたつのダクトに分かれています。これらのダクトとは別に、フロアに向いたヒーターのダクトとデフロストを備えています。
  • ヴィンテージエア付属のNewスイッチはHi/Loスイッチと温度調節、デフロストスイッチの3つです。シンプルで操作性が良いのが特徴です。
  • こちらが左右に振り分けられたエアコンダクトです。ボール状になっていますので風向きを変えられる範囲が広まり、より快適になりました。
  • 実際にテストドライブで試してみましたが、クールエアを体に当てることが可能となり、炎天下でも快適なドライブを楽しめました。
  • 新たに取り付けられたA/Cコンプレッサーです。エアコンのインストール作業はかなり手間のかかる作業なのですが、このA/Cショップには多くのブロンコの作業を依頼してきたこともあり、慣れた手つきであっという間にインストールが完了してしまいました。作業中の写真を撮影できなかったのもそのためです。
  • A/Cホースはパッセンジャーサイドのエアベントボックスを貫通させてエヴァポレーターへと接続します。加工が必要な作業ですが綺麗な仕上がりです。
  • ホースの取り回しは雑な部分がありますが、この辺りは日本に到着後弦巻にてやり直します。
  • A/Cコンデンサーも綺麗に取り付けられています。
  • エアコンのインストールを終えた1975 Bronco Ranger "Glen Green"号はインテリアショップへと入庫しインテリアのリファイン作業中。
  • 今回の作業内容は極力オリジナルの状態を保つべく、すべてのシートのシートフォーム交換とドライバーズシートのマテリアル補修のみを行いました。
  • こちらはドライバーズシートです。座面の生地の解れを出来る限り補修しステッチを入れ直しました。シートフォームを交換したことでシートの張りを取り戻しました。
  • バックレストもシートフォームを交換したことで張りを取り戻しました。こちらもステッチを入れ直しています。
  • パッセンジャーシートもドライバーズシート同様、シートフォームを交換しステッチを入れ直しています。
  • こちらはリアベンチシートです。こちらもシートフォームを交換し、新車時の張りを取り戻しています。
  • インテリアのリファイン作業を終えた1975 Bronco Ranger "Glen Green"号はマフラーショップへと移動するためローダーへ。
  • いつもお世話になっているマフラーショップへと到着。
  • 現状のマフラーは左右2本出しで太めのパイプが使用されています。
  • 状態は悪くないのですが、気になる点がいくつかあるため定番のパッセンジャーサイド1本出しのストックスタイルへと作り直します。
  • その気になる点というのは、左右のマフラー長がかなり違うということと、
  • 左右で大きさの異なるサイレンサーが使われていることです。後々の事を考えストックスタイルへの引き直しを決断しました。トラブルは未然に防ぐという基本に則った判断です。
  • マフラーの引き直し作業を終えた1975 Bronco Ranger "Glen Green"号です。
  • 前オーナーによってデュアル化されていましたが、オリジナルのシングルマフラーパッセンジャーサイド出しへと変更しました。今回もいつもお世話になっているマフラーショップへ作業を依頼しました。幾度となく同じマフラーを制作してもらっているため、高いクオリティを実現しています。
  • エキゾーストマニフォールドの後ろから引き直しています。
  • ATFオイルパンは前オーナーによって、ごつい社外品へと交換されていますが、オリジナル品をへと戻す予定です。このごついオイルパン、下まわりのヴィンテージ感を損ねる元凶なんです。
  • サイレンサーまわりの処理も完璧です。
  • パッセンジャーサイド1本出しマフラー、アンカットブロンコに似合っていて、いつ見ても安心感がありますね。
  • シッピングを前に1975 Bronco Ranger "Glen Green"号のタイヤ交換を行いました。まずはフォード純正OEMホイールをタイヤショップへと持ち込みます。このホイールは実は私共の別注品で他店では入手することが出来ません。
  • 最近のブロンコ向けのタイヤチョイスは専ら、BF GoodrichのAll Terrainタイヤでしたが、残念なことにそのクラシカルなA/Tタイヤは、All Terrain T/A KO2へと進化し、サイドウォールのデザインが大幅に変更されてしまいました。こちらがそのKO2タイヤ。
  • このアップデートによりサイドウォールは厚みが増し、強度が上がったことでトラクション性能が大幅に向上したとのこと。しかしそのモダンなデザインは見るからにブロンコには似合わなそうですね~。
  • ということで今回も意地で今までのAll Terrainタイヤを探し出し、4本確保しました。6月に他のブロンコのために購入した際は、比較的簡単に揃えることが出来ましたが、今回は3本目までは近場で見つかったのですが、4本目が無く遠方から取り寄せたため時間がかかってしまいました。
  • やはりこのシンプルなサイドウォールデザインがブロンコには似合います。
  • 組みあがったタイヤをピックアップし早速、タイヤを交換します。
  • 現状、装着されているタイヤは前オーナーによってチョイスされたUNIROYAL LAREDOタイヤ。
  • これはこれで丸みがあってブロンコに似合っていますね。しかし残念ながらブロンコ標準サイズの235/75R15タイヤは生産終了とのこと。
  • BF GoodrichのAll Terrainタイヤを装着しました。
  • やはりこのタイヤはブロンコに似合いますね。
  • クラシカルなサイドウォールがホワイトレターを引き立てている感じでしょうか、4×4らしい力強さを演出しています。
  • カリフォルニアでのすべての作業を終えた1975 Bronco Ranger "Glen Green"号です。
  • シッピング前にインテリアの養生作業を行いました。こちらはフロントバケットシートです。
  • そしてこちらはリアベンチシートです。オリジナルのRangerインテリアを汚さぬよう丁寧に養生されました。
  • 養生作業を終えた"Glen Green"号はトウトラックに載せられ、いよいよ日本へ向けて旅立つ時を迎えました。
  • そして船積みされるロングビーチ港へ向けて出発しました。
  • すべてにおいてオリジナルコンディションを維持している1975 Bronco Ranger "Glen Green"号です。
  • カリフォルニアから海を渡っての長旅を終え、日本に到着したGlen Green号
  • そして、ガレージへ到着したGlen Green号。
  • "glen"とは深い峡谷とか谷間という意味を持つのですが、このBroncoはそんな峡谷をイメージしたGreenを身にまとっているんです。
  • Ranger Packageのブラウンとの相性もバッチリです。
  • この日の駐車場はとてもカラフルに。60~70'sのアメリカ車は、デザインのみならずこのカラーリングも大きな魅力のひとつです。
  • ガレージ到着後、整備を開始ししたGlen Green号。
  • レージでのレストア作業の中心となるのがこのエンジンです。
  • ひとつのパートとしては一番長い時間をかけて仕上げることになります。まずはエンジンをBroncoから降ろす準備を開始。
  • エンジンからエアークリーナーボックスや各補機類を取り外し…
  • 続いて下まわりのパーツを取り外していきます。
  • 前後ドライブシャフトを外し、マフラーをBroncoから取り外します。1本ものなので軽い知恵の輪状態。ふたり掛かりで角度や向きを変えながらボディ下から抜き出しました。
  • こちらが外れたマフラーです。
  • 続いてはミッション&トランスファを降ろす作業です。
  • エンジンを降ろす準備の一環として、まずはミッション&トランスファをBroncoから降ろします。
  • マウントとフレームを切り離して…
  • ミッションジャッキで支えながら徐々に下げていきます。これらを載せたままでもエンジンを降ろすことができますが、ミッション&トランスファの状態確認とボディ下まわりの確認&クリーニングができるなど大きなメリットもありますので当店では毎回降ろして作業を進めています。
  • 無事Broncoから降りたミッション&トランスファです。こちらはエンジンのメンテナンスが終了し次第、状態確認とメンテナンスを行います。
  • 続いてエンジンを降ろします。フードを全開にして…
  • エンジンクレーンでテンションを掛けながらマウントとフレームを繋いでいるボルトを抜き、一気にクレーンで引き揚げます。
  • Broncoから外されエンジンスタンドに固定された302cid V8エンジンです。V8エンジンの中ではコンパクトですが、可愛らしいボディをグイグイと走らせるに十分なパワーを発揮してくれます。こちらはしばらくこのスタンドに固定したまま、各パーツへとバラバラに分解していきます。
  • 主役のいなくなったエンジンルームです。こちらもエンジンのメンテナンス終了後にクリーニングを行います。
  • Broncoから降ろされた後補機類が外されてスッキリとした302cid V8エンジン。
  • まずは現状のチェックから。
  • バルブカバーを開けた状態でオイルポンプを回し、オイルがシリンダヘッドまで上がってきているかを確認します。
  • しっかりとしたオイルの流れを確認できましたのでいよいよ本格的に分解開始です。まずはタイミングカバーを外しました。
  • 続いてシリンダーヘッドをブロックから取り外しました。ブロック内に残っているクーラントを排出しながら…
  • もうひとつのシリンダヘッドの取り外しにかかります。
  • 左右バンクのシリンダヘッドの取り外し完了です。
  • こちらがエンジンから降りたシリンダヘッドです。シリンダヘッドはこの後バルブの状態確認やクリーニングを行っていきます。
  • 専用ツールを使ってシリンダーヘッドからバルブを抜きます。
  • シリンダーヘッドから抜いたバルブです。カーボンの堆積が目立ちます。
  • バルブは1本づつクリーニングを施してカーボンを取り除きスムースな面を作り出します。
  • インテーク&エキゾーストバルブ合わせて16本のクリーニング完了です。金属の鈍い輝きを取り戻すまで丹念に磨き上げました。これでスムースな吸気&排気が行えます。話は全然違いますが、この写真自分が子供のころに描かれていた未来都市の予想図に似ています。
  • バルブの燃焼室側もカーボンを除去して綺麗な面を作り上げました。
  • こちらはバルブを取り除いたシリンダーヘッドです。
  • こちらもカーボンや貼りついているガスケットを除去してスベスベの仕上がりに。
  • 排気の通り道もカーボン除去などを行います。
  • 綺麗になったシリンダーヘッドにクリーニングの終了したバルブを戻し元の姿を取り戻した左右シリンダーヘッドです。
  • シリンダーヘッドに続き、シリンダーブロックのメンテナンスを開始。まずはピストンをシリンダーブロックから抜き出します。
  • クランクシャフトと連結しているキャップを外し、裏側から軽く押し出します。
  • シリンダーブロックから8気筒分のピストンが抜けました。
  • カーボンの堆積は見られますがいい状態を保っていますのでクリーニングを行って再利用します。
  • 続いてクランクシャフトの取り外し。そのためにキャップを外すのですが、これは緩めていく順番が大切なんです。
  • クランクシャフトの取り外し完了。
  • ピストンとクランクシャフトがいなくなりだいぶスッキリとしたシリンダーブロックです。
  • 各メタルやシリンダー内も綺麗な状態を保っています。
  • ココから先はそれぞれのパーツをメンテナンスする細かい作業が続きます。
  • 各パートに分解を終えた302cid V8エンジン、それぞれのクリーニング&メンテナンスを行いながら組み立ての準備を進めます。こちらはシリンダーブロックです。
  • オイルライン、ウォータージャケット、各シリンダー、シリンダーヘッドとの合わせ面などひと通りのクリーニング&メンテナンスを終えました。
  • ピストンも堆積していたカーボン除去などメンテナンスが終了。
  • シリンダーヘッドも準備万端組み立てを待っている状態です。
  • 各シリンダーにピストンを入れていきます。この写真は各シリンダーにピストンを入れた後、オイルストレーナーを取り付けたところです。
  • 8本のピストンが各シリンダーに収まりました。金属の鈍い輝きがいい感じです。
  • 続いてオイルパンの取り付け。当然ながら全てのガスケットは新品を用いてエンジンを組み直します。
  • クランクシールは組み付けにチョットしたコツがあるのですが、何故かアメリカから来たエンジンはそれを行っていない場合が多いですね。
  • オイルパンの装着完了。オイルパンはこの後のFord Blueへのペイントに備え磨きを掛けました。
  • 続いてシリンダーヘッドを装着。
  • 左右バンクにシリンダーヘッドが戻りました。この状態のメカメカしさ、いつも飽きることなく眺めてしまいます。
  • 続いてエンジンにフレッシュなエンジンオイルを注ぎ込み…
  • オイルポンプを回しながらシリンダーヘッドまでオイルが上がってくるかを確認します。
  • オイルポンプを回すこと数分。リンダーヘッドまでオイルが上がってきて、各気筒のロッカーアームからオイルが流れ出てきました。
  • 全ての気筒でオイルの流れを確認できました。
  • 続いてインテークマニフォールドやフューエルポンプ、ウォーターポンプ、オイルフィルターなどを装着。このあとのフォードブルーへのリペイントへ備え、マスキングも徐々に行います。
  • まずはブラックで下地作り。黒いエンジンは引き締まって見えますね。
  • 下地の乾燥中。後ろでは下まわり作業中のRangerがエンジンが仕上がって行く様を見守っています。
  • 下地の乾燥が終わったエンジンを、Ford Blueへとペイントしました。
  • 鮮やかなFord Blueに染まった302cid V8エンジンです。
  • Blueになってさらにエンジンらしい姿を取り戻しました。コ
  • このあとは補機類を一気に取り付けます。
  • パワーステアリングポンプ
  • 上下ラジエターホース、クーリングファン、ハーモニックバランサーやクランププーリー
  • オーバーホール済みのキャブレター
  • ディストリビューター
  • オルタネーターなどを取り付けました。
  • 補機類の取り付けがほぼ完了した302cid V8エンジン。この他の細かいパーツはBroncoに搭載後の作業。Broncoの準備が整い次第Broncoへと戻します。
  • エンジンの作業がひと段落したところで、下まわりの作業に移ります。まずはリアアクスルまわりから作業を開始。
  • タイヤを外しドラムブレーキも分解。
  • アクルスシャフトを抜いた状態です。リアのハウジングを降ろす準備を進めています。
  • さらにディファレンシャルキャリアに固定されているピニオンギアを抜きました。これだけでもかなりの重さです。
  • ギアやベアリングの状態は良さそうですので、クリーニング&シール交換を行い再利用します。
  • 続いてはディファレンシャルキャリアの取り外し。
  • これがかなりヘビー級。ひとりで持ち上げるのはやっとです。リングギアの状態も良さそうです。
  • ディファレンシャルがいなくなりスッキリとしたアクスルハウジング。こちらも汚れたディファレンシャルオイルを抜き出して中も綺麗にします。
  • ディファレンシャルを抜き、アクスルハウジングを取り外す作業に取り掛かります。
  • ハウジングをジャッキで支えてUボルトを緩めていきます。
  • 中身が空のため比較的軽いですが、それでも鉄の塊なのでそれなりの重さはあります。これから内外ともに綺麗にしていきます。
  • リアアクスルハウジングがいなくなりスッキリとしたリアサスペンションまわりです。続いてはリーフスプリングの取り外し。
  • 錆で固着しているボルトがなかなか緩まずメカニックは渾身の力をこめてボルト&ナットと格闘…。
  • 左右リーフスプリングの取り外し完了です。この後錆で動きが渋くなっていたボルト&ナットはメンテナンスを施しスムースな動きを取り戻しました。
  • リアサスペンションがごっそりいなくなり下まわりがだいぶスッキリとしてきました。続いてフロントサスペンションの取り外しに取り掛かります。
  • アクスルハウジングやスプリング、ショックアブソーバーなどがなくなりフロントまわりがスッキリとしたBroncoです。
  • こちらがBroncoから取り外したフロントアクスルハウジング。この後ブレーキなどを分解してそれぞれメンテナンスを行います。
  • エンジン&ミッション、そして前後サスペンションがなくなり下まわりがかなりスッキリとしました。
  • この状態でフレームやボディまわりのクリーニングを行ないます。邪魔なものがなくまさにかゆいところに手が届く状態ですので、細部まで綺麗に仕上げることができます。
  • エンジン&ミッション、そしてサスペンションなど、下まわりのパーツを外し終えた1975 Bronco Ranger。
  • 続いて下まわりのクリーニングを開始します。まずは専用の洗剤を吹きかけ、高圧洗浄機で一気に汚れを洗い流します。
  • ブロンコのフレームはBOX構造なんですが、中を覗くといろいろな発見があることが…。そのためフレームの中も洗浄しています。
  • フロントまわりや
  • フレーム
  • エンジンルームなども高圧洗浄機で汚れを洗い流しました。
  • 長年蓄積されてきた汚れをある程度洗い流すことができ、サッパリとしたBronco。
  • この後は水分の換装を待った後フレームの表面に浮いている錆や流しきれなかった汚れは手作業で除去していきます。
  • フレームやボディアンダーパネルなど、汚れを落とし終わった段階でシャーシーブラックを塗布していきます。フレームは金属の地が出るまで磨き上げました。
  • フロント
  • そしてリアまわり。
  • コイルスプリングサポートもスベスベに仕上がりました。
  • 普段はミッション&トランスファマウントの取り付け位置となる部分のフレームも艶やかな仕上がりです。この部分はミッション&トランスファを降ろさないとアクセスすることができません。
  • そしてエンジンルーム内のフレーム&エンジンサポートも綺麗に仕上がっています。フレームが綺麗だと気持ちがいいですね。
  • フロントからリアセクションまで、フレームを艶やかに仕上げることができました。
  • クリーニングの終了したリーフスプリングとリアアクスルハウジングをBroncoへと戻しました。
  • 今回はシャックルブッシュも新品に交換。リーフスプリングは表面に付いていた錆や汚れをグラインダーで一皮むきました。
  • アクスルハウジングにディファレンシャルキャリアを装着。
  • 金属の地が出ている表面に新たな錆が浮いてくる前に、リーフスプリングとアクスルハウジングにシャーシーブラックを塗布しました。
  • アクスルハウジングの前側です。
  • 汚れを落として表面を整えておいたこともありツヤツヤの仕上がりです。
  • リアアクスルハウジングの取り付けまでが終わったBronco。改めて下まわりを覗いてみました。
  • 手前味噌ながらなかなかの出来栄え。フレームの艶っぽさがいい感じの仕上がりです。
  • 続いては、バックプレートを取り付けた後リアアクスルをハウジングへと差し込みます。バックプレートもクリーニング済み。
  • アクスル固定用のボルト&ナットはオリジナル品をリコンディショニングして使用しました。ボルト&ナットはメンテナンスを施すことで新品のようなスムースな動きを取り戻します。
  • 左右リアアクスルの取り付けが完了。こ
  • の後はブレーキ関連のパーツを取り付けていきます。
  • Broncoから外したフロントアクスルです。リアアクスルシャフトまでの取り付けが終わった1975 Bronco Ranger、続いてフロントアクスルの作業に移ります。
  • まずはオイルや泥などの汚れをゴシゴシと落とす作業から。
  • アクスルハウジングは入り組んだ形をしているので、細かい部分などはワイヤーブラシ、ピッキングルーツなどを使って汚れを掻き出しました。
  • アクスルの作業と平行して、Broncoのフレームにラジアスアームを取り付けました。この後にフロントアクスルと連結します。
  • フレームとの接合部のブッシュも新品を使用。まだつぶれていない新品のブッシュを間に入れるには、力技とコツが必要です。
  • 左右ラジアスアームの取り付け完了です。
  • 続いては、クリーニングの終わったフロントアクスルとラジアスアームを連結します。
  • こちらはラジアスアームとフロントアクスルの間に入るCブッシュです。こちらも新品を使って組み直します。
  • ラジアスアームとアクスルの間にCブッシュを挟み込み、微妙な位置調整をしながら連結します。
  • Cブッシュのズレもなく、ラジアスアームとフロントアクスルの連結完了です。
  • フロントアクスルとラジアスアームの連結が終わったBronco、続いてアクスルを支えるためにコイルスプリングを装着しました。
  • まずはコイルスプリングの受けとなる皿を取り付けます。
  • 続いて左右コイルスプリングを固定。これでアクスルを支えることができます。スプリングも金属の地がでるまで磨いています。
  • スプリング上端と下端の皿の中にあるスプリングホルダーをしっかりと締め付けてコイルスプリングの取り付けが完了しました。
  • 左右コイルスプリングの取り付け完了です。下まわりもだいぶ形になってきました。この状態でフロントアクスルハウジングの細部を仕上げていきます。
  • フロントアクスルハウジングの取り付けが終わったBronco、続いてフロントアクスルまわりのメンテナンスを行いました。
  • まずはアクスルシャフトのユニバーサルジョイントをクリーニング。
  • この際動きの滑らかさなどもチェックしますが、このBroncoは全く問題ありません。
  • 続いてアクスルハウジング本体の磨き上げです。まずは表側から。
  • 続いて裏側も磨いていきます。
  • 裏側は立体的なだけでなく、オイルや泥汚れなど堆積物も多いので細かい所まで時間を掛けてクリーニングを行ないました。
  • アクスルハウジングのクリーニングはかなりの労力と時間が必要ですが、その甲斐あって綺麗な金属面を出すことができました。
  • この状態ならシャーシーブラックののりがいいこと間違いなしです。
  • フロントアクスルのクリーニングが終わった1975 Bronco Ranger、金属面に錆が浮いてくる前に早速シャーシーブラックでペイントします。
  • アクスル裏側の汚れもさっぱりと洗い流しています。
  • シャーシーブラックを塗布するまに、まずは下地つくりを行います。
  • 下地のマットブラック仕様になったフロントアクスル。
  • 乾燥を待った後、シャーシーブラックを塗布していきます。だいぶ艶っぽくなってきました。
  • 合わせてサスペンションまわりにもシャーシーブラックを塗布。
  • フロントまわり、そしてリアまわりへのシャーシーブラックの塗布が終わり、下まわりがだいぶ引き締まってきました。
  • 前後アクスル&フレームへのシャーシーブラック塗布が終了し、下まわりの艶っぽさが俄然増した1975 Bronco Rangerです。
  • 続いてフロントハブまわりのメンテナンスを行いました。
  • まずはフリーハブを抜いて…
  • アクスルシャフトからハブを取り除いた後、古いグリースを洗い流してから改めてグリースアップを行いました。
  • フリーハブの中身も古いグリースを洗い流して脱脂したのち、グリースアップ。
  • 改めて組み直し…
  • キャップを被せて終了です。中のグリースを入れ替えたこともあり、ハブのFree⇔Lockの切り替えもスムーズに行えるようになりました。
  • 続いては磨きをかけたステアリングのリンク類を取り付け。
  • ダストブーツももちろん新品を使用。
  • 一番手間と時間のかかるクリーニングの工程がほぼ終了し、ここからは一気にパーツを組み付けていく作業になります。
  • Broncoを仕上げていく中で、一番手間と時間のかかるクリーニングの工程がほぼ終了したRanger。続いてエンジンを積み込むための準備を進めます。
  • まずはエンジンルームのクリーニングから開始。エンジンがいない代わりにメカニックがエンジンルームへと収まり、エンジンルーム内のボディやフレームまわりなど細かいところまでクリーニングを行いました。
  • バルクヘッドやエンジンマウント部など、エンジンがいると手が届かないところもこの機会に長年の汚れを落としてしまいます。
  • インナーフェンダーも綺麗になりました。
  • 続いてフューエルタンクの取り付け。こちらはメインタンクです。
  • マウントに隙間なく収まるよう位置を調整しながらバンドを締め付け、フレームの間にピッタリと収めました。
  • エンジンを積むための着地に合わせてタイヤを取り付け。
  • まだエンジンがいませんが、タイヤを装着してだいぶクルマらしい姿になってきたBroncoです。ボディのGlen Green以外は艶やかなブラックの仕上がり。いい感じです。
  • 綺麗にしたタイヤハウス内もシャーシーブラックで整えています。
  • ブレーキまわりのメンテナンス開始。こちらはフロントブレーキ。
  • キャリパーはオーバーホールを行い、シールも交換。
  • バンジョウボルトも新品を使いました。
  • リアのドラムブレーキはホイールシリンダーやシューなど、関連パーツはオールニューを使って組んでいます。
  • こちらも新品のブレーキドラムを被せてリアブレーキの組み付け完了です。
  • リアアクスル上を這うブレーキライン。今回もブレーキラインは全てリニューアルしています。
  • ブレーキラインの敷設に合わせ、フューエルラインも一緒に引き直しました。フレームの内側にクランプを使って固定。リアへと電気を送る配線も一緒にレイアウトしました。
  • ブレーキ関連の作業が終了し、いよいよエンジンを搭載します。
  • 準備の整ったBroncoに、いよいよ302cid V8エンジンを搭載します。こちらが補機類などの装着がほぼ終了したエンジンです。本体はフォードブルーに、補機類などはマットブラックにペイントしています。
  • Broncoのエンジンルームへと、302cid V8エンジンが無事戻りました。
  • やはりこの姿の方が見ていて落ち着きます。
  • ラジエター、ファン&ファンシュラウドをなど冷却系のパーツを取り付け。
  • ラジエターに入るATラインも繋ぎました。
  • エンジンに続いては、ミッション&トランスファをBroncoへと戻す作業にとりかかります。こちらがBroncoから降ろしているミッション&トランスファです。
  • ミッションとトランスファを分解し、それぞれのメンテナンスを進めます。
  • トランスファはオイルを抜いた後、ギアやベアリングの状態を確認。内部に残っているオイルも綺麗に洗い流します。ギアオイルは粘土が高いのでドレンボルトから抜いただけでは不十分な場合があります。
  • C4トランスミッションもオイルパンを剥がしてATFを交換。フィルター&ガスケットも新品に交換します。
  • このC4にはアフターパーツのオイルパンが付いていたので、今回はオイルパンも交換しました。C4の純正オイルパンはニューパーツの供給がなく入手が難しいのですが、NOSパーツをゲットすることができました。1973年に製造されたオイルパンです。
  • ミッションメンバーのブッシュを新品に交換して再度連結したミッションとトランスファを載せて…
  • Broncoへと戻しました。これで大物の搭載が完了。この後は完成に向けて細かなパーツの取り付けや調整を進めます。
  • ミッション&トランスファが戻ったBronco、いよいよエンジンの火入れへ向けて準備を進めます。
  • キャブレターやワイヤーなどをセット。フューエルタンクには燃料を注入。何回かのクランキングの後、初爆を確認しエンジンの火入れが無事完了しました。
  • エンジンが安定した状態でウォータージャケットに水を回します。
  • 何度か入れて⇔抜いてを繰り返し最終的にクーラントを注入して終了。
  • エンジンの火入れも終了しひと安心のBronco Ranger。エンジンまわりの整理や他の外していたパーツを戻しました。フロントバンパーも装着。
  • エンジンはさらなる調整を行い、火入れの時にも増してスムーズに吹け上がるようになりました。
  • こちらはエアクリーナーボックスですが、リペイントを行います。まずは溶剤を用いて古いペイントを剥がします。
  • 前オーナーの手で塗り替えられていたこのボックス。ペイントをひと皮剥くと、下からオリジナルペイントが姿を現しました。
  • オリジナルペイントはとても強くて、一度の溶剤塗布では剥がすことができません…。
  • 何度か溶剤を用い、さらに磨きを掛けることで金属の地を出すことに成功したエアクリーナーボックスです。これからFord Blueにリペイントします。
  • ボックス、そしてシュノーケルに何度も塗料を吹きかけ、徐々に鮮やかなFord Blueへと染めていきます。
  • そして、こちらが完成したエアクリーナーボックスです。エンジン排気量を示す”302CID”のステッカーを貼ってキャブレターと接続して完了です。
  • エンジンまわりの作業が落ち着いたRanger、続いて配線のチェック&改善を行ないました。正しくレイアウトするだけではなく、日本の法規に合わせた改善も行ないました。
  • そして、リアバンパーの取り付け。バンパーが付くだけで、だいぶクルマらしい姿に戻りますね。いよいよ作業も終盤です。
  • 最後にガード類のリペイント。こちらはメインタンクのガードです。汚れや古いペイントを全て取り払い…
  • シャーシーブラックでリペイント。
  • こちらはマフラーの遮熱板です。同様にリペイントを行ないます。
  • こちらはかなり熱くなるパーツですので耐熱ブラックでペイントしています。
  • 取り付けるボルトも一度さらの状態に。こうすることで滑らなかな動きで取り付けることができるようになります。
  • 遮熱板の取り付けが完了です。これでマフラーから伝わってくる熱をシャットアウトすることができます。
  • 大がかりな作業が終了したGlen Green号。ウェザーストリップ類の交換をしました。
  • まずはドアまわり。こちらはアッパーサイドのウエザーストリップ。
  • アサイドも交換しました。
  • 新しいウェザーストリップはとても弾力がありしっとりとした触り心地。この弾力でドアと密着することで、雨水の侵入を防いでくれるんです。
  • 続いてはテールゲートまわりのウェザーストリップ。まずは古い物を剥がして、レールを綺麗にします。
  • 外したウェザーストリップはパサパサで弾力も弱くなっていました。
  • そして、綺麗にしたレールに専用の接着剤を用いてニューウェザーストリップを取り付けました。
  • リフトゲートとテールゲートの合わせ面に付くシールも交換。ここはBroncoのウィークポイントのひとつでもあります。
  • そして、ついに完成の時を迎えました。1975 Bronco Rangerです。
  • 今まで外していたハブキャップを付けると雰囲気がガラリと変わり上品な出で立ちに。
  • Glen Greenのボディカラーとの相性もバッチリですね。
  • Rangerパッケージではインストルメントパネルもボディと同色にペイントされます。そしてダッシュパッドはインテリアカラーと同色のブラウンの仕様となっています。
  • グローブボックスの蓋にはRangerのバッチが備わっています。
  • オリジナルのマテリアルを生かして仕上げたインテリアです。洒落た雰囲気がいい感じです。Glen GreenのボディにRangerトリムが組み合わされているのはこの1台のみです。
  • コチラはリアシート。他のマテリアル同様オリジナルを生かした仕上げです。
  • 一番の特徴がこの千鳥格子柄のシートファブリックです。この生地がシートやドアトリムなどに使われることで、Rangerパッケージをより上品な仕上がりにしてくれていますね。
  • こちらはカーゴスペース。フロアはフルカーペット、さらにテールゲートにもカーペットが敷かれています。毛足の長いカーペットは触り心地も気持ちがいいです。
  • このRangerはレンジャーラインではなく、ボディモールがチョイスされていました。クロームも磨いてひと皮むけば当時の輝きを取り戻します。
  • お伝えしてきたとおり、外せるパーツを全て外してメンテナンスを進めてきた下まわりはとてもクリーンな仕上がりとすることができました。
  • ブッシュやシール類などの消耗品もニューパーツを使って組んでいますので、新車の状態に近いコンディションを実現しています。
  • クリーンで艶っぽい下まわりは見ていてとても気持ちが良いです。
  • オーバーホール済みの302 cid V8エンジンは安定したアイドリングとスムーズな吹け上がりを実現。運転席に座ってこのエンジンを目覚めさせると程よいV8のバイヴレーションを感じながら楽しげなドライブを想像していまします。
  • 1975 Bronco Rangerの詳細はINVENTORY(http://bronco-ranch.com/inventory/1975-ford-bronco-ranger_glen-green/)でご覧いただけます。