RESTORATION

1969 Ford Bronco “Patina Package Vol.2” – US編

AFTER

BEFORE

■この車について

ノーザンカリフォルニアにて入手しました1969 Broncoです。新車当時からのオリジナルペイントを活かし、インテリア、エンジン、駆動系や下まわりなどをパリッと仕上げる"Patina Package"として造り上げたBroncoです。オリジナルペイントを極力残すため、前オーナーによりカットされたリアフェンダーをそのまま使い、マイルドなリフトアップを施して純正よりサイズアップしたタイヤを装着してオーバーフェンダーを装着することでワイルドなスタイルに仕上げました。
Restorationの模様を、US編と弦巻編に分けてお伝えします。

  • ノーザンカリフォルニアにて入手しました、人気のBoxwood Greenのオリジナルペイントを綺麗に保つ、1969 Broncoです。
  • “Patina Package” のコンセプトに基づき、極力、オリジナルペイントを維持するため、リアフェンダーはカットされたままの状態で、少しワイルドな雰囲気のブロンコを製作します。
  • リアオーバーフェンダーは私共のパートナーである、バハ・ブロンコスペシャリスト、N氏によってN氏オリジナルのBaja Broncoレプリカへと交換されました。
  • リアオーバーフェンダー交換後、トレイラーに載せ、一路Los Angelesを目指します。
  • 途中、何度か給油し休み休みの帰り道となりました。
  • LAの拠点に到着した1969 Broncoです。オリジナルペイントを綺麗に保つ個体なのですが、ドライバーズサイドドア上部の錆が若干進行しています。
  • 今回のプロジェクトでは”Patina Package” の名の元、あえてこのまま残すことにしました。
  • リアフェンダーはカットされオーバーフェンダーが装着されていますが、全体的には上々のコンディションを誇る個体で”Patina Package” の素材としては丁度良いブロンコです。
  • この個体は1969 Bronco “Patina Package①” とは異なりドライバーズサイド、パッセンジャーサイド共にロッカーパネルは腐食もなく綺麗な状態を保っています。
  • グリル廻りも飛び石によるダメージも少なく、比較的きれいな状態です。
  • オーバーフェンダーはバハブロンコスペシャリストであるN氏によって、N氏自らが企画し製品化したバハブロンコレプリカへと交換済みです。
  • こちらがドライバーズサイドドアの錆によるダメージです。今回のプロジェクトでは”Patina Package” のコンセプトに基づき敢えてこのままの状態を維持します。錆も見方によっては貴重なエイジングなのです。
  • インナーキックパネルとインナーフェンダーエプロンは錆によるダメージが進行していますので、この個体もNewパネルへと交換します。エクステリアペイントはオリジナルペイントを極力維持しますがインナーパネルの腐食はすべて見逃さずにリペアします。
  • インテリアは前回同様、シートフォームとシートスキンの張替え、シートベルトやアームレスト、サンバイザーなどをリニューアルします。もちろん貴重なブロンコマットはリペアし甦らせます。ステアリングホイールはフェアレーン500用が取り付けられていますので、ブロンコのステアリングに交換します。
  • エンジンは前オーナーによってリビルト済みですが、ガレージ弦巻にてすべて見直す予定です。
  • ボディショップへと持ち込んでいた、1969 Bronco “Patina Package Vol.2” ですが、早速、作業が進められていました。
  • まずはインナーキックパネルとインナーフェンダーエプロンの貼り替え作業が行われました。こちらはドライバーズサイドです。
  • この部分はブロンコの泣き所でベントシールの劣化を放置しておくと徐々に浸水し、結果的にインナーパネルが腐食してしまうことになります。当店で手掛けるブロンコはこの部分を厳しくチェックし、少しの腐食も見逃しません。ブロンコを長生きさせるコツでもあるからです。
  • 綺麗に貼り替えられています。同じ作業を同じボディショップに幾度となく依頼しているため、職人さんもコツを得ており、工程が確立されています。長年の取引の賜物ですが、こういった職人さん達は財産ですね。頼もしい限りです。
  • フロントドアポスト先端部分も一部錆で腐食しているのが確認できます。この後、ドライバーズサイド、パッセンジャーサイド共にしっかりとリペアしていきます。
  • パッセンジャーサイドも綺麗に貼り替えられました。
  • フェンダーを外さないと交換できない、パッセンジャーサイドのベントボックスもこの機会に抜かりなく交換します。
  • 内側も綺麗な仕上がりです。この後、オリジナルカラーであるBoxwood Greenにペイントされます。
  • オリジナルのブロンコマットを外してみたところ、フロアにはアルミ製のパネルが貼られていました。嫌な予感がしますね~。
  • インナーキックパネルとインナーフェンダーエプロンの貼替え作業を終えた1969 Bronco “Patina PackageVol.2です。今週からはフロアパンの貼替え作業へと移っています。
  • この個体は貴重なオリジナルブロンコマットを維持していました。ブロンコマットはリプロ品が存在せず、汚れてしまったり破けてしまった結果、破棄されてしまったりカーペットに張り替えられてしまっている個体がほとんどで、レアアイテムとしてマニアの間では驚くような高値で取引されています。ブロンコマットを保持しているだけでその個体の価値が上がってしまう、奇妙なパーツなのです。
  • ブロンコマットをめくってみると、フロアにはアルミ製のパネルが貼られていました。
  • ブロンコマットは破損個所が数か所ありますが、綺麗にリペアし再生する予定です。
  • フロアを覆うように貼られたアルミパネル。外すのが怖いですね~。
  • アルミ製のパネルを剥がしてみると、案の定、フロアパンはコーナー部分が錆びている状態でしたので一気に取り除きました。こちらはドライバーズサイドです。
  • そしてこちらはパッセンジャーサイドです。錆びて腐食している部分はすべて取り除きNewフロアパンへと貼替えます。手間のかかる作業ですが、この工程をしっかりやっておくことが、後々このブロンコの寿命を延ばす事となりますので、時間をかけて丁寧にリペア作業を行っていきます。
  • 引き続き、ボディショップで作業が行われている、’69 Bronco “Patina Package” Vol.2です。
  • フロアパンもNewフロアが貼られ、綺麗にペイントされました。Boxwood Greenのペイントも経年劣化を意識して調合されていますので、オリジナルペイントの部分と比較しても違和感のない仕上がりを実現しています。
  • 貼り替え作業を終えたインナーキックパネルとインナーフェンダーエプロンもBoxwood Greenへとペイントされました。
  • 内側も違和感なく綺麗にペイントされています。オリジナルペイントとリペイント部分の調和がこの “Patina Package” の最も難しく重要なポイントです。
  • 腐食が確認できたフロントドアピラーポスト先端部分も綺麗にリペアされペイントされました。
  • ハードトップ内側がリペイントされました。当店が手掛ける “Patina Package” ではエクステリアはオリジナルの状態を維持する方向で仕上げますが、機関系及びインテリアは快適に使用できるようにするために、一通り手を入れます。
  • この後、ヘッドライナーを貼るため見えない部分となりますが、見えない所こそ綺麗に仕上げるという私共のポリシーに則り、抜かりなくリペイントされました。
  • 経年劣化によって劣化したすべてのウィンドウシールを交換するため、ハードトップに付属するすべてのウィンドウが取り外されました。
  • リアフロアに開けられていたボルト穴が塞がれました。
  • 目立たぬように塗料を調合して慎重にペイントされました。
  • インナーフェンダーエプロンとインナーキックパネルの貼替え作業が終了し、フロントフェンダーが取り付けられました。
  • ウィンドウシール交換のため取り外されていたすべてのウィンドウが、Newシールと共に取り付けられました。
  • 貼り替えられたインナーフェンダーエプロンです。違和感なく仕上げられたと思います。このセクションのリペアはブロンコにとって生命線です。高温多湿な日本の気候に対応するためには必須の作業と言えると思います。
  • フロントフェンダーを取り外さないと交換できないパッセンジャーサイドのベントボックスも抜かりなくNewパーツへと交換されました。
  • フェンダー内側部分です。今回リペアされたインナーフェンダーエプロンとインナーキックパネル以外の部分は弦巻到着後仕上げ作業が行われます。錆びにより腐食したラジオアンテナシャフトなどはNewパーツへと交換されます。
  • ドライバーズサイド、パッセンジャーサイド共にフロアパンはNewフロアへと貼り替えられています。
  • 前オーナーによって、シングルDINサイズのアフターマーケットステレオを装着するために開けられた、ダッシュパネルの穴をリペアする作業を行いました。最近ではiphoneやMP3に対応したファクトリーラジオ型のカスタムステレオも発売されていますが、私共はステレオを設置する場合は、ステレオ自体の機能性やスペースの有効活用という観点から、センターコンソールを設置した上での装着をお勧めしています。
  • まずは鉄板を継ぎ当てし、溶接部分をパテ盛りします。
  • そして接合部分をスムージングして表面を整えます。
  • 最後にオリジナルのペイントに近づけるべく、塗料を調合し、ペイントして完成です。違和感なく綺麗に仕上げることが出来ました。これぞプロの技ですね。
  • こうしてボディショップでのすべての作業を終え、次なるステージであるインテアのリニューアル作業に向けて、取り外されていたフロントバケットシートとリアのベンチシートが戻されました。
  • ボディショップでのすべての作業を終え、インテリアの作業へと移行する準備の整った1969 Bronco “Patina Package” Vol.2号です。
  • エクステリアペイントは敢えてオリジナルのまま、インナーパネルとフロアパンの貼り替え作業をメインに作業を行いました。経年劣化により程よくヤレたフロントグリルのフォードレターがよい味を出しています。グリルのフォードレターはブロンコの顔に欠かせないアクセントですね。
  • この個体のリアフェンダーはカットされており、バハブロンコのレプリカフェンダーが装着されています。日本到着f後、弦巻にて若干のリフトアップを施し、タイヤもオーバーサイズタイヤをセットする予定です。程よくヤレたオリジナルペイントが雰囲気満点です。
  • テールゲートの “FORD” レターもカサカサの状態で抜群のヴィンテージ感を醸し出しています。この状態は人工的には再現できない、オリジナルペイント特有のものです。
  • ボディショップでの最終工程でロールケージの取り付け作業も行われました。リフトアップされたブロンコにロールケージは欠かせません。綺麗に取り付けられています。
  • ボディショップでのすべての作業を終え、インテリアショップへと移動した1969 Bronco “Patina Package” Vol.2号ですが、インテリアの作業に着手する前に、傷のあったウィンドシールドの交換作業を行うことになりました。まずは古いウィンドシールドが取り外されました。
  • こちらが取り外されたウィンドシールドです。日本でも交換可能ですが、ガラスの切り出し作業から始めなければならないため、時間的にもコスト的にもカリフォルニアで交換した方がより効率的なのです。
  • そしてNewウィンドシールドにNewシールを装着します。
  • 古い接着剤を綺麗に剥がしてから、Newウィンドシールドを装着します。
  • そしてしっかりとシール材をはめ込み、
  • 接着剤を乾燥させ、作業終了となります。日本ではウィンドシールドにクラックが入っていると、車検を通す事が出来ないため注意が必要です。当店が輸入するすべてのブロンコのウィンドシールドをシッピング前に必ず交換するのはその対策なのです。
  • インテリアショップへと移動されウィンドシールドが交換された、1969 Bronco “Patina Package” Vol.2号はいよいよインテリアの作業に移りました。
  • まずはシートフォームとシートスキンを交換するため、フロントバケットシートが取り外されました。リペアされるブロンコマットも一旦、取り外されました。
  • リアベンチシートもフロントバケットシートと同様にシートフォームとシートスキン、アームレストをリニューアルするため、取り外されました。
  • ブロンコマットが設置されると見えなくなるフロアパン部分は、完璧にリペアされペイントされています。ブロンコマットが付かないリアフロア部分は経年劣化によって程よく錆びた状態を見せるため、敢えて手を入れていません。”Patina Package” の趣旨に沿った内容となっています。人工的には再現できない、ヤレ感をお楽しみ頂くためです。
  • まずはヘッドライナーが貼り替えられました。
  • 綺麗な仕上がりです。
  • そしてドライバーズサイド、パッセンジャーサイド共にサンバイザーが貼り替えられ、Newワイパーモーターカバーが取り付けられました。
  • シートスキンの貼り替えとシートフォームの交換作業が行われています。まずは古いシートスキンが剥がされます。
  • こちらが、古くなって黄ばんだシートフォームです。普段は直接見えないので気になりませんが、この状態を見てしまうと新しいオーナー様に気持ち良くお乗り頂くために、どうしても交換しておきたいパーツです。
  • こちらがNewシートフォームです。真っ白で気持ちが良いですね。
  • そしてNewシートフォームにNewシートスキンを貼っていきます。
  • こちらは損傷があるものの、状態よく残っていた貴重なブロンコマットです。
  • 全体的にクリーニングを施し、破れている箇所を貼り合わせていきます。
  • インテリアショップでのすべての作業を終えた、1969 Bronco “Patina Package” Vol.2 です。
  • フロントバケットシートはシートフォームがNewフォームへと交換され、シートスキンはNewスキンへと貼り替えられました。シートハーネスはバックルはオリジナルのまま、ハーネスのみ交換されています。
  • ステアリングフォーンリングはフェアレーン500の物が前オーナーによって取り付けられていますが、これもこの個体のヒストリーと判断し敢えて残すことにしました。
  • リアベンチシートもシートフォームがNewフォームへと交換され、シートスキンはNewスキンへと貼り替えられました。アームレストもNewパーツへと交換されています。
  • ドアパネルに付属するフロントシート用アームレストとドアカップもNewパーツへと交換されました。
  • ドライバーズサイド、パッセンジャーサイド共にサンバイザーはNewバイザーに交換され、ワイパーモーターカバーもリニューアルされました。
  • ヘッドライナーも綺麗に貼り替えられています。
  • 貴重なブロンコマットもリペアされ敷き込まれました。艶が復活し、綺麗な仕上がりです。
  • “Patina Package” のコンセプトの元、インテリアは完璧にリニューアルされました。ヤレたエクステリアを楽しみつつ、リニューアルされた清潔なインテリアに接することが出来る、1台で2度おいしい内容となっております。
  • インテリアショップでのすべての作業を終えた、1969 Bronco “Patina Package” Vol.2 はローダーに載せられマフラーショップへと移動されました。
  • 前オーナーによって取り付けられた、左右二本出しのデュアルマフラーから、私共定番の右側一本出し仕様へと変更します。こちらは変更前のデュアルマフラーです。
  • そしてこちらが変更後のシングルマフラーです。マフラーの制作過程の写真を撮ることが出来なかったのですが、パイプの状態からワンオフで制作されています。
  • このマフラーショップには毎回、日本へ出荷する前に同じ仕様のマフラー制作を繰り返し依頼しているため、作業はとてもスピーディーで高いクオリティが確立されています。これも長年のお付き合いの賜物ですね。
  • ヘダースの付根からエンドまで綺麗にマフラーが引き直されました。マフラーのリニューアルは日本で行うこともできますが、時間的にも費用的にもカリフォルニアで行った方が断然お得です。私共がカリフォルニアで作業を行うのはそのためなんです。Newマフラーだと見た目も綺麗で気持ちが良いですからね。
  • マフラーショップでの作業を終え、カリフォルニアでのすべての作業を終えた、1969 Bronco “Patina Package” Vol.2 はシッピング準備の為、一旦、倉庫に戻されました。
  • そしてフロントバケットシートとブロンコマットが丁寧に養生されました。せっかくリニューアルしたシートカバーやブロンコマットを汚したり、傷つけたりすることがないよう、万全を期すための措置です。
  • リアベンチシートも同様に丁寧に養生されました。
  • こうしてカリフォルニアでのすべてのメニューを終えた1969 Bronco “Patina Package” Vol.2号は船積みされるロングビーチ港へ向けて旅立ちました。本牧港への到着は7月中旬頃を予定しております。ガレージ弦巻到着後、エンジンまわりや脚まわりを中心としたレストア作業を再開します。
  • 最終的には2.5インチ程リフトアップを施し、31インチのオーバーサイズタイヤを組み合わせ、マイルドなリフトアップブロンコに仕上げる予定です。日本到着がとても楽しみな1台です。
  • この度1969 Bronco “Patina Package” Vol.2 のために入手した、15×8Jサイズのフォード純正スチールホイールです。1970年代の当時物です。このサイズのオリジナルスチールホイールはなかなか見つけることの出来ないレアアイテムで、売りに出たら即買いの一品です。今回はちょうどタイミング良く入手することが出来ました。
  • Boxwood Green とWimbledon Whiteのエクステリアカラーに合わせ、Mat BlackからWimbledon Whiteへとリペイントしました。
  • このホイールに31×10.5のA/Tタイヤを組み合わせる予定です。
  • オリジナルの6Jのスチールホイールとは異なり、幅が広い分だけ、リムも深めとなっています。2.5インチ程リフトアップを施し、バハブロンコのようなルックスへと仕上げて参ります。装着がとても楽しみなレアアイテムです。

    弦巻編へ続く…