RESTORATION

1971 Ford Baja Bronco “Arizona”

AFTER

BEFORE

■この車について

アリゾナ州にて発見された1オーナー、オリジナルコンディションの1971年式Baja Broncoを入手することに成功しました。このような状態のBaja Broncoが見つかる事は非常に稀なことです。ビル・ストロップによって備え付けられた装備は以下の通りでした。
C4 automatic trans (original oil cooler and guard still in place)
Chrome 15×8 steel wheels
Gates Commando XT special tires
Dual shocks at all corners
Rubberized steering wheel
Trailer hitch
Rollbar with padding
Bumper braces
Middle seat
Fog lights

  • 発掘した当初の1971 Baja Bronco 通称”Arizona”です。
  • この個体はバハ・ブロンコスペシャリストであるN氏によってアリゾナ州の砂漠の中のとある納屋で発見され、当ガレージが譲り受けた”The real barn found truck”なのです。
  • 総生産台数が450台そこそこのBaja Broncoがこの個体のようにオリジナルの要素を色濃く残した状態で発見されること自体が珍しいことで、この状態からフレームオフフルレストアを経て”新車”の状態へと再生するプロセスに当ガレージでは魅力を感じ購入した経緯があります。
  • エンジンもご覧の通り、オリジナルの状態です。
  • 今回のプロジェクトは1972 4Speed Baja Broncoに続き2台目のN氏に依頼するフレームオフフルレストアプロジェクトです。4SP同様極力オリジナルパーツを再生し、オリジナルに忠実に作業を進めています。
  • この個体がアリゾナの砂漠の納屋で発見された1971 Baja Broncoです。バハ・ブロンコスペシャリストであるN氏によって納屋から引っぱりだされた当初から懸念材料としてある一つのダメージがN氏によって指摘されていました。
  • それはハードトップ右後部のダメージです。この種のダメージはこの個体が過去にロールオーバーを経験したことを示しており、ボディへの影響が心配されていました。
  • ハードトップ左側にもロールオーバーの痕跡を見つけることができます。
  • コアサポート端部にも歪みが確認できます。ロールオーバーがボディ全体に影響を及ぼしていることは明らかです。
  • 通常はこのような個体は多額の費用が掛かるフレームオフレストアのベース車両として不適格と見なされプロジェクトからは外されることになるのですが、この個体は約450台しか製造されていないバハ・ブロンコであるという点とアリゾナの納屋で発見された”Barn Find Truck”であるというストーリー性を考慮し、N氏と話し合った結果、レストアプロジェクトの続行を決意したのでした。コストは通常の場合よりも嵩みますがそれでもこのトラックを再生させる価値は十分にあると考えたのです。
  • コウルパネルにも腐食が見られボディワークのレストアにはそれなりの労力が必要なことは明らかでした。
  • インテリアもそれなりに傷んでいますが、ビル・ストロップによってインストールされたミドルシートやラバーステアリングホイールが残されているなどオリジナル度はかなり高い状態でした。
  • 貴重なオリジナルのドアパネルも劣化しており、再生が厳しい状態でした。
  • スペアタイヤキャリアのボルトなどオリジナルのボルト類はすべて再生し再利用します。ボルト1本までオリジナル品にこだわるN氏のスタイルをこの個体でも存分に貫きます。
  • スペアタイヤキャリアに付いていたのはオリジナルのゲーツコマンドXTタイヤでした。当然、レストア後もスペアタイヤキャリアへと戻されることになります。
  • アリゾナの砂漠からレストアを手掛けるN氏の工房があるノーザンカリフォルニアへと運ばれてきたArizona号です。
  • まずはボディをスチームクリーニングに出すため内装パーツを取り外す作業からスタートしました。この時点がこのレストアプロジェクトの実質的なスタート地点です。
  • オリジナルのFMVSSステッカーです。極力、オリジナル品を残すようにしたい部分です。
  • シートなど大きい物から取り外していきます。
  • 一つ一つパーツを取り外していき、再生できる物かどうか判断していきます。
  • すべての内装パーツが取り外されました。
  • スチームクリーニングで長年の埃を洗い流すため移動します。フレームからボディオフする前に、まずはボディを綺麗にして状態をチェックします。
  • スチームクリーニングから帰ったArizona号は、フレームオフに向けてバラし作業が行われるN氏の工房へと納まりました。
  • まずはドアパネルが外されました。ドライバーズサイドのドアパネルはウィンドウフレーム付け根部分の腐食が進んでおり、再生出来そうにありません。この個体と同じ1971年式ブロンコスポーツのドアパネルを探してもらうことになりました。N氏は自信が手掛けるバハブロンコのレストア作業において、ボディパネルなどの主要コンポーネンツは決してリプロ品を使いません。あくまで同年式の中古のオリジナルパーツのみを使用するのです。とことんオリジナルにこだわった作業が進められていきます。
  • フードもご覧の通り錆により表面に凹凸が出来ています。こちらはシートメタルマスターに再生するのか、中古のオリジナルパーツに交換するのかの判断を委ねることになりました。極力、オリジナルの付属パーツを再生していきます。
  • ベントボックスやヒーターコアなどが次々に取り外されていきます。
  • パッセンジャーサイドのキックパネルからインナーエプロンにかけてはきれいな状態です。
  • しかしドライバーズサイドのコアサポートにはダメージを修復した痕跡が残っていました。
  • 同様にドライバーズサイドのキックパネルからインナーエプロンにかけても修復された跡があります。
  • コウルパネルからウィンドシールドフレーム付け根にかけてもだいぶ腐食が進んでおり、大がかりな修復作業が必要となります。
  • だいぶバラされてきました。この後、エンジンなどドライブトレインを降ろしていきます。
  • エンジン・トランスミッション・トランスファーケースはすべてオリジナル品で一度も降ろされたことがありません。C4トランスミッションとトランスファーケースはストロップによってインストールされた“本物”で、C4をブロンコに搭載するためのストロップアダプターも当然、備えています。N氏がレストアベースに適しているかどうかの判断を下す際、最重要チェックポイントとなるのがこのストロップアダプターケースで、それほど貴重なパーツなのです。
  • 内側から見ると、ドライバーズサイドのインナーエプロンの修復が難しいことは明らかです。
  • ホイールウェルにはパーツ識別のための当時物の手書きの識別番号が残されています。オリジナルコンディションのブロンコをチェックしているとボディパネルの内側にこういった識別番号を発見することが多々あります。こういった番号の意味する事柄を探っていくこともレストア作業の醍醐味ですね。
  • N氏の工房ですべての主要コンポーネンツが取り外されたArizona号はボディワークが行われる、Mustang専門ショップへと運ばれました。
  • このショップのオーナーの実弟はN氏とは旧知の仲で、腕利きのメタルマスターでもあるのです。
  • グリル、フロントフェンダー、ドア、ハードトップなどのボディコンポーネンツがすべて取り外されました。
  • エンジン、トランスミッション、トランスファーケースなどのドライブトレインもすべて下ろされています。
  • インテリアパーツもご覧の通り、すべて取り外されました
  • 大がかりなリペアが必要になるのが、こちらのドライバーズサイド、フロントインナーエプロンからコアサポートにかけてです
  • 内側から見るとロールオーバーによるダメージの大きさが確認できます。どのような工程で修復していくのか、メタルマスターの腕の見せ所です。
  • そしてドライバーズサイド、パッセンジャーサイド共にフロアパンは貼り替えが必要な箇所です。
  • コウルパネルからウィンドウシールドマウントパネルにかけても腐食が激しく、リペアが難しそうです。
  • パッセンジャーサイドのリアフロアエクステンションパネルも腐食が見られリペアが必要です。
  • 同じくパッセンジャーサイドのリアホイールウェルは前オーナーによってツールボックスに改造されており、今回はオリジナルの状態へと戻すことにします。
  • 貴重なBaja Bronco専用のリアフェンダーフレアは綺麗な状態を保っています。ストロップによるオリジナルパーツの一つで入手困難アイテムです。こういった希少パーツが残っていたこともこの個体を修復するに至った一つの要素です。
  • ドライバーズサイドドアはウィンドフレーム付根部分の腐食が進んでいたため再生を断念し、同じ1971年式ブロンコスポーツのドアパネルがN氏によって調達されました。主要なボディコンポーネンツはリプロ品ではなくあくまでもオリジナル品にこだわって作業を進めていきます。
  • フロントフェンダーは綺麗な状態を保っていましたので、こちらを修復し使用します。
  • 車体から取り外された、ビル・ストロップによってインストールされたC4トランスミッションはリビルトのためトランスミッションショップに運ばれました。
  • オリジナルのケースはオーバーホールされ再利用することになります。消耗パーツはすべてNewパーツへと交換されます。写真の犬はメタルマスターG氏の愛犬でとても人懐っこい犬です。
  • オリジナルのトランスファーケース(DANA20)もトランスミッション同様、リビルトされます。
  • こちらが作業を行うN氏ご用達のトランスミッションショップです。
  • まずはトランスファーケースから取り掛かかるようで、作業台の上に載せられました。
  • トランスミッションショップという場所はどこへ行ってもごちゃごちゃしていますね。整理整頓が苦手なのでしょうか。
  • ボディがフレームから降ろされリペア&ペイント用のフレームに載せられました。ブロンコのボディリペアのために専用のフレームを持っているあたり、さすが老舗マスタング専門店ですね。
  • 古いペイントはすべて剥離されそれぞれのボディパネルの状態が入念にチェックされていきます。ドライバーズサイドのフロントエンド部分がこの個体を再生するための最難関であることは間違いなさそうです。
  • 両サイドのフロアパンも貼り替えが必要です。
  • ツールボックスに改造されていた、パッセンジャーズサイドのリアホイールウェルはオリジナルの状態へと戻されます。
  • メタルマスターであるG氏に作業を依頼するのは、4SP Baja以来2台目ですがその時と全く同じ手順で作業が進められていきます。
  • 各ボディパネルも古いペイントがすべて剥離されました。
  • 貴重なストロップアダプターもブラストがかけられ丹念に磨かれました。鈍い輝きがいい感じです。このパーツが付属しているかどうかでその個体の価値が変わるほどのレアパーツなのです。何故、そこまで希少価値が高いかと言うと、ブロンコにオートマチックトランスミッションが装備されていなかった’71と’72モデルのバハ・ブロンコにのみC4をインストールするため作られたパーツだからです。長い年月が経過する過程で、’71か’72モデルでもトランスミッションをオーバーホールした際などに、別のパーツに交換されているケースも少なくありません。’73モデルからはフォードによってC4が装備され、パワーステアリングギアボックスもフォードによってインストールされるようになり、ストロップのオリジナルパーツが満載という意味で’71と’72モデルの価値がそれ以降のモデルよりも高いと言われているのです。
  • ボディが降ろされたフレームは再びN氏の工房へ戻され、レストア作業が行われます。
  • N氏はロールオーバーによるダメージが大きいドライバーズサイドのフロントエンドをリペアするにあたり、オリジナルパーツのリペアを断念し’71年式ブロンコの中古パーツを入手しました。リプロパーツを使うのは簡単ですが、N氏はあくまでもオリジナルパーツにこだわります。コストは嵩みますが、そのスタイルを貫き通しているからこそ、N氏への仕事の依頼が後を絶たないのでしょう。
  • フロントホイールウェルからコアサポートにかけてが今回使用される部分です。
  • その部分はとてもきれいな状態を保っています。
  • 取り外したシートの裏側から、N氏は面白いものを見つけました。
  • 従業員の悪戯でしょうか、この個体が製造されたミシガントラックプラントで仕込まれた物でしょう、”フォード純正”のコーヒーカップです。オリジナルコンディションを保った個体をバラシていく過程ではしばしば、こういった過去の遺物を発見することがあります。
  • この類の発見がある度に、当時に思いを馳せながら、N氏は自身のライフワークとなっているBaja Broncoのレストア作業を楽しんでいるのです。
  • マスタング専門店でのボディワークもいよいよ本格化してきました。ボディ全体がブラストされリペア箇所の確認作業が行われました。
  • まずはダメージの大きい、ドライバーズサイドのフロントエンド部分のリペアから行われました。
  • 凄腕メタルマスターであるG氏はダメージの大きい部分をごっそりと切り取りました。
  • そして先日、N氏が入手した同じ’71年式ブロンコスポーツのホイールウェルとコアサポートの一部を合体させ溶接しました。インナーエプロンはさすがにNewパーツへと交換されています。
  • 荒っぽい手法ですがG氏曰く、極力オリジナルパーツを残すためには最適な方法とのことで、この手のヴィンテージカーのレストア作業では一般的な手法なのだそうです。
  • センタートンネルパネルが剥がされました。
  • ドライバーズサイド、パッセンジャーズサイドのフロアパンと共にNewパーツへと交換されました。
  • そしてオリジナルオーナーによって工具箱へと改造されていた、パッセンジャーサイドのリアホイールウェルもオリジナルの状態へと戻すべく、溶接されました。
  • 同じくパッセンジャーズサイドのサポートパネル部分には腐食が見られリペアが必要です。
  • テールライトハウジング部分の腐食は溶接され穴埋めされました。
  • メインのリアフロアパネルは綺麗な状態です。
  • ドライバーズサイドのドアパネルが取り付けられました。このドアパネルも同じ1971年式ブロンコスポーツのオリジナルパーツです。
  • この段階できっちりとドアパネルとボディパネルとのちり合わせを行います。
  • 着々と作業が進んでいます。
  • ボディはマスタング専門店にて作業が進められていますが、フレームはN氏の工房へと戻され作業が再開されました。
  • まずはフレームの状態を確認していきます。この個体は一度、ロールオーバーを経験している個体なのですが、やはりそのダメージはフレームにまで及んでいました。ドライバーズサイドのボディマウントが曲がってしまっています。
  • そしてその先のフレーム事態も歪みが発見されました
  • 当初の想定よりもダメージが大きいことが次第に分かってきました。
  • サスペンションがバラされフレームのみの状態になりました。
  • 歪曲が発見されたフレームの裏側部分には明確なダメージが発見されました。ここに大きな衝撃が加わったことは明らかです。
  • 歪んだ部分を切り取って矯正していきます。
  • 矯正後溶接されました。
  • ラジアスアームサポートブラケットにも若干のダメージが見受けられたため、リペアを行います。
  • こちらはリビルトされたC4オートマチックトランスミッション。もちろん、この個体から取り外したオリジナル品で、ビル・ストロップによってインストールされたスペシャルパーツです。ストロップによってインストールされた'71、'72モデルのC4は'73以降のフォードによってインストールされた物とは細部が大きく異なります。
  • DANA20トランスファーケースもリビルトされました。こちらもトランスミッション同様、この個体から取り外したオリジナルパーツです
  • リアアクスルハウジングもN氏によってクリーニングされ綺麗にペイントされました。
  • 貴重なストロップアダプターもブラストがかけられ美しい仕上がりです。繰り返しになりますが、'71モデルと'72モデルはC4は標準装備されておらず、このアダプターはC4を搭載するためにストロップが製作したスペシャルパーツで、およそ180台にのみに与えられたとても希少なパーツなのです。
  • この個体と同じ、'71年式のハードトップがN氏によって手配されました。オリジナルのハードトップはロールオーバーによって変形していたため、再生を断念したのです。
  • こちらはラジアスアームです。左側のドライバーズサイドのラジアスアームもロールオーバーの影響で曲がっているのが確認出来ます。今回はN氏によって手配された中央の、他の同年式のブロンコから取り外されたオリジナル品を代わりに使用します。
  • ロアーコイルカップとコイルリテイナーカップもブラストがかけられました。この後、ペイントされます。こういった細かいパーツも丁寧にオリジナル品が再生されます。
  • ラジアスアームブラケットとホルダーもブラストがかけられました。
  • バッキングプレートもブラストがかけられ再生されていきます。
  • トランスミッションやトランスファーケースに付属していたシリアルプレートもクリーニングされ元の位置に戻されます。
  • N氏によるフレームのレストア作業と並行して、マスタング専門店ではG氏によるボディのリペア作業が進められています。
  • 前回までに交換されたドライバーズサイド、インナーエプロンとキックパネルとの溶接部分をペイントに向けてスムージングしていきます。写真に写っているのが敏腕メタルマスターであるG氏です。
  • 彼は某有名マスタング専門店オーナーの弟という立場でありながら、かなり気まぐれな男なのですが、その腕は確かでスチールパネルをまるで粘土でも扱っているかのように形どっていく怪力の持ち主です
  • ドライバーズサイドのフロントエンドは同じ年式のBronco Sportのパーツが結合され、置き換えられていることが確認できます。かなり大変な作業だったはずですが、それを感じさせないG氏の仕事ぶり、さすがです。
  • パッセンジャーサイド、コウルパネルからウィンドシールドマウントパネルにかけてと、ウィンドシールドフレームの一部がリペアされています。
  • 交換されたフロアパンとセンタートンネルの溶接部分もペイントに向けてスムージングされています。
  • パッセンジャーズサイドのリアホイールウェルも同様にスムージングされていきました。
  • その他、パッセンジャーサイドリアフェンダーパネルの一部などが部分的にリペアされました
  • グラスファイバー製のリアオーバーフェンダーはこの個体のオリジナルパーツで、貴重なストロップスペシャルパーツの内のひとつです。アフターマーケットのオーバーフェンダーとは形状が全く異なり、このオーバーフェンダーがついているかどうかで本物のBaja Broncoかどうかを比較的簡単に見分けることができます。
  • ボディとドアのちり合わせも入念に行われていきます。
  • ボディ裏側は防錆コーティングが施されました。この後、更にボディと同色のPoppy Redへとペイントされます。
  • コーティングによってこの先、更に40年は長生きできるのではないでしょうか。
  • アンダーボディの隅から隅まで滞りなくコーティングされました。
  • フレームのレストア作業が進められているN氏の工房では、ドライバーズサイドのラジアスアームマウントブラケットを交換する作業が行われました。
  • こちらが切り取られた古いブラケットです。ロールオーバーによるダメージで曲がってしまっていました。
  • そしてリペアされたフレームに他のブロンコから外されたブラケットが取付けられました。N氏曰く、寸法はパーフェクト!とのことで、所定の位置に取付けられました。
  • 取り外したブラケットを、今回取り付けたブラケットと並べてみると、若干外側に開いてしまっていることが確認できます。
  • N氏はフレームのリペア作業と同時進行で、ボルト・ナット類やその他のブラケット類のレストア作業も進めていました。
  • すべてのパーツがこのBaja Broncoのオリジナルパーツでリプロパーツは一切含まれていません。
  • すべてのボルト・ナットはブラストがかけられた後、コーティングされています。
  • ブラケットやシャックルは丁寧な下地処理の後、シャシブラックで仕上げられました。
  • フレームがスムージングされ、下地処理が施された後、ペイントされました。まさに見違えるようなとても綺麗な仕上がりです。
  • そしてこの日までにレストアされたパーツが取付られる位置に並べられ、順次、インストールされていきます。
  • こちらはステアリングギアボックスです。この個体はストロップのファクトリーをラインオフした際、パワーステアリングギアボックスを備えていませんでした。N氏は貴重なストロップによるオリジナルパワーステアリングギアボックスをこのBaja Broncoのためにストックしていましたが、敢えてオリジナルにこだわりマニュアルでいくことにしたのです。
  • ATFクーラーもリビルトされ取り付けられました。このパーツもビル・ストロップによる、Baja Broncoオリジナルパーツです。
  • デュアルショックマウントもBaja Broncoオリジナルパーツです。こちらも綺麗な仕上がりです。
  • そしてボディマウントとその下側に位置するのがラジアスアームブラケットです。このパーツはダメージにより交換したパーツなのですが、完璧な仕上がりで、その痕跡を見つけることはできません。
  • ラジアスアームもペイントされブッシュが取り付けられました
  • こちらはリアのボディマウントとリーフスプリングブラケットです。こちらも美しい仕上がりです。
  • そしてリーフスプリングもレストアされペイントされました。この後、サスペンションが組み上げられ、タイヤが装着されることになります。
  • N氏の工房で作業が進められているフレームにサスペンションが組み付けられました。
  • こちらはフロントまわりです。コイルは当時、Baja Broncoに標準装備されていたスペックのコイルをN氏が別注した、N氏によるスペシャルパーツです。とても丁寧に組まれていることが確認できます。
  • こちらのボルトは当時のデッドストック品です。ボルト類の内、70%ほどはオリジナル品を再生していますが、20%強はこのボルトのようにデッドストック品を使用しています。ボルト1本に至るまで、あくまでもオリジナル品にこだわる、それがN氏のスタイルです。誰も真似出来ない所以です。
  • 貴重なバックプレートはもちろんアップライトなど、フロントサスペンションを構成する主要パーツはすべてこの個体のオリジナル品を再生したものです。
  • ブッシュ類などの消耗品はすべてNewパーツへと交換されています。
  • DANA44フロントアクスルもオリジナル品が丁寧にリビルトされました。アクスルシャフトなど主要コンポーネンツはすべてオリジナルパーツが再生され、Uジョイントやアクスルシールなどの消耗品はNewパーツを使って組上げられています。
  • ラジアスアームも綺麗に組まれています。この個体のレストア作業を開始し、ドライバーズサイドのラジアスアームにダメージが確認された時のことを想うと感慨深いものがあります。改めてN氏の技術の高さを垣間見ることができる仕上がりです。
  • こちらはパッセンジャーサイドのラジアスアーム。
  • リアサスペンションも完璧に組上げられました。
  • リーフはフロントのコイル同様、N氏が別注したNewパーツが組み込まれました。
  • フォード9″ リアエンドもオリジナル品が完璧にリビルトされました。鋳鉄製のカバーやピニオンヨークなどはオリジナル品が再生され、リングギアやピニオンギア、ベアリングなどは消耗品ということでNewパーツが組み込まれています。
  • オリジナルのシリアルプレートもクリーニングされ元の位置に戻されました。
  • エンジンがリビルトされN氏の工房へと戻ってきました。このエンジンはこの個体から降ろされたオリジナルエンジンで、リビルトメニューも当時、ストロップによって施されたチューニングメニューと同じ内容で組み上げられました。即ち、289HP cam from Comp Cams, roller rockers, fully balanced, high quality pistons, built for reliability・・・です。
  • ウォーターポンプが取り付けられた後、フォードブルーへとペイントされました。
  • そして、フレームに載せられました。
  • 美しい仕上がりです。
  • ンジンと同時に、リビルトされたC4オートマティックトランスミッションとDANA20トランスファーケースも搭載されました。共にこの個体のオリジナルパーツです。
  • 貴重なストロップアダプターケースを介してトランスミッションとトランスファーケースが連結されているのが確認できます。'73以降のバハ・ブロンコはC4オートマがフォードによって標準設定されたため、このアダプターケースもフォード製となります。'71と'72のみがストロップのスペシャルアダプターを備えているのです。希少価値が高い所以です。
  • その他、各ブレーキもNewパーツを使って組み上げられました。装着されているタイヤ&ホイールはN氏がスポンサードを受けているU.S. INDY MAGホイールにBFG A/Tタイヤを組み合わせたもので、この“Arizona” プロジェクト用の物ではありません。
  • マスタング専門店にてG氏によって進められていましたボディのレストア作業ですが、その後、フロントフェンダーをフィッティングする作業が行われました。
  • ドアとのチリ合わせを入念に行っていきます。
  • ブロンコはフェンダーとドアとのチリが合っていない個体がとても多く、多くの場合、レストア時に調整されていないケースなのですが、私共が手掛けるすべてのブロンコはこの点にこだわり、きっちりとチリ合わせを行っています。
  • チリ合わせを終え、インナーパネルのペイントのため、フロントフェンダーはいったん外されました。
  • この後、インナーパネルから下地処理の後、ペイントされていきます。
  • ペイントに向け着々とスムージングが進められているArizona号です。
  • まずはフロアパネルからリアホイールウェル、インナークウォーターパネルなどインテリア部分をペイントします。
  • ホイールウェル内側部分も同時にペイントします。
  • そしてエンジンルーム全体のペイント準備も進めていきます。
  • インテリアとエンジンルームのペイント後、エクステリア部分のペイントへと移ります。
  • まずはしっかりと下地を作っていきます。
  • 位置合わせのために取り付けられていた、貴重なバハ・ブロンコオリジナルのフェンダーフレアもペイントに向けて取り外されました。
  • 左右のドアパネルも、まずはウィンドウフレームがWimbledon Whiteにペイントされました。
  • インナーパンネル部分やエンジンベイ、ホイールウェル内側がバハ・ブロンコ純正色であるポッピー・レッドにペイントされペイントブースから出されました。
  • 今回は辣腕メタルマスターであるG氏個人が自らのために手掛けている、別の'71 Baja Broncoと同時進行で作業が進められています。左がG氏の'71 Bajaで、右が我らが”Arizona”号です
  • フロアパンやセンタートンネル部分など各インナーパネルが綺麗にペイントされています。
  • リアフロアパネルも綺麗にペイントされました。
  • リアホイールウェル部分は、スポーツパッケージのブロンコはカーペットが貼られていないため直接見える部分となり、綺麗な仕上がりが求められます。今回はオリジナルに忠実なスポーツパッケージ仕様を再現する予定で、この部分のペイントには万全を期しただけあって、満足の行く仕上がりを実現することができました。
  • リアホイールウェル内側も綺麗にペイントされました。
  • エンジンベイからコアサポートにかけても綺麗にペイントされました。
  • ウィンドシールドフレームからコウルパネルにかけても完璧な仕上がりです。この部分は雨水の通り道となる部分で、しっかりと防水処理を施すことが求められます。
  • フロントサイドのキックパネルからインナーエプロンは錆が発生しやすい部分でブロンコのウィークポイントです。普段はフロントフェンダーによって見えない部分となるだけに、この段階でしっかりと防錆対策を施すことが重要です。
  • 左右のフロントホイールウェルまわりも綺麗にペイントされています。
  • インナーパネル部分やエンジンベイ、ホイールウェル内側がバハ・ブロンコ純正色であるポッピー・レッドにペイントされた”Arizona” 号はエクステリアのペイントを前にN氏がレストアを進めてきたフレームへとボディが乗せ換えられました。
  • 下まわりのペイントのため、ペイント専用のフレームにボディが乗せられていたのです。
  • N氏が綿密に寸法を測ってフレームのレストアを行ったこともあり、きれいに収まりました。
  • エクステリアのペイントに向けて、各ボディパネルのスムージングが入念に行われ、同時に散り合わせも行われました。こちらはフロントフェンダーとグリルです。
  • そしてこちらはリアフェンダーとテールゲートです。完璧にチリ合わせが行われました。
  • 先端をポッピーレッドにペイントするため、フードが取り付けられた”Arizona” 号はペイントのため、ブースへと入れられました。
  • フード先端と左右ドア及び、左右のリアフェンダーがポッピーレッドへとペイントされていきます。
  • テールゲートとフロントグリル、左右フロントフェンダーも同時にペイントされます。
  • ポッピーレッドにペイントされたボディはバハ・ブロンコのペイントスキームに則り、ウィンブルトンホワイトに塗り分けられました。
  • ペイント完了後、ペイントブースから出されました。
  • 各フロアパネルは丁寧にペイントされました。この後、フロアにはオリジナルのブロンコマットが敷かれ、オリジナルの状態を忠実に再現する予定です。
  • バハ・ブロンコのペイントスキームに則り、フロントフェンダーはポッピーレッドとウィンブルドンホワイトに塗り分けられました。
  • フードはフラットブラックで先端だけポッピーレッド、ウィンドシールドフレームはウィンブルドンホワイトへとペイントされました。そして順次、クロームモールディングが取り付けられていきます。
  • フロントグリルはスポーツブロンコのペイントスキームに則り、シルバーにペイントされグリルモールディングが取り付けられました。マーカーレンズも取り付けられています。
  • こうしてマスタング専門店でのすべてのボディまわりの作業を終えた”Arizona” 号はトートラックに載せられN氏の工房へと出発しました。
  • N氏の工房へと無事に戻った “Arizona” 号は、各パーツの取り付けを経て、ハードトップを搭載し、一気に組み上げられていきます。
  • マスタング専門店でのボディワークを終え、N氏の工房へと帰還した”Arizona” 号です。
  • N氏によって”FORD” グリルレターが取り付けられました。使用されるクリップがこちら、貴重なNOSパーツです。
  • “F” が取り付けられました。
  • グリルの裏側はこんな感じです。NOSパーツのクリップによってグリルレターがしっかりと固定されています。
  • 次にヘッドライトも取り付けられます。まずはN氏によってレストアされたバルブバケットが取り付けられました。もちろんオリジナルパーツです。
  • グリルレターとヘッドライトバルブが取り付けられました。
  • そしてこちらが、今回のレストアプロジェクトにおける目玉パーツの内の一つである、デッドストックのブロンコフロントマットです。リプロ品が存在しない激レアパーツです。この一品のために日本円で6桁の出費となりましたが、オリジナルスポーツブロンコを忠実に再現するためには仕方ありません。
  • フロントマットを”Arizona” 号に敷いてみました。若干、縮んでいるようですが、時間をかけて広げることでうまく敷設出来そうです。激レアパーツであるフロントマットを入手しましたが喜びは束の間、次はリアマットを探さなければなりません。
  • N氏の工房に納まった”Arizona” 号、やっと折り返し地点に到達した感があります。
  • 完璧にバランス取りされた302エンジンにハーモニックバランサーやウォーターポンプ、フューエルポンプなどが取り付けられました。
  • フードにはセイフティーラッチとN氏によってレストアされたストライカーポストが取り付けられました。
  • N氏はバハ・ブロンコオリジナルのスチールホイールのレストアをこのホイールを当時製造したホイールメーカーに依頼していたのですが、この度、綺麗にレストアされ戻って来ました。
  • リクロームが施され完璧な仕上がりです。
  • ステアリングポストはこの”Arizona” BajaのオリジナルパーツがN氏によってレストアされます。
  • ステアリングコラムは欠品しがちな貴重なパーツです。極力オリジナルパーツを再生し、ターンシグナルスイッチなどの消耗品はNewパーツを使用します。
  • ワイヤリングハーネスもオリジナル品を再生します。
  • “FORD” オーバルスタンプ付きのテーピングなど、このワイヤリングハーネスにはオリジナル品である証が随所に散見されるのです。
  • N氏の工房でコツコツと作業が進められている、”Arizona”号です。
  • Upholsteryショップから完成したフロントバケットシートが戻って来ました。
  • もちろんこのシートはこの個体オリジナルのシートフレームを用い、シートフォームとシートスキンを張り替えたものです。
  • レンズ類もフォードオーバルマーク入りのNOSパーツを使用します。
  • こちらはリビルトされたマニュアル3速トランスミッションとDANA20アダプターハウジングです。こちらもこの個体のオリジナルパーツがリビルトされたものです。
  • アクセルペダルとブレーキペダルがN氏によって再生され取り付けられました。ペダルリンケージもすべてオリジナルパーツが再生されています。
  • キックパネルからファイアーウォール内側にはインシュレーターが貼られました。オリジナルに忠実に綺麗に仕上げられています。
  • 通常は見えない部分となりますが、見えない部分こそこだわりたいというのが私共のポリシーです。
  • デッドストック品のブロンコマットも含めて鳥肌が立つほど美しい仕上がりです。
  • ボディショップにてレストアされたダッシュパネルがN氏の元へ戻って来ました。
  • 綺麗な仕上がりです。
  • グローブボックスドアとアッシュトレイも綺麗にレストアされました。
  • 各スイッチ類のベゼルとノブが取り付けられていきます。
  • すべてのスイッチノブが取り付けられ、ゲージクラスターが取り付けられました。
  • 綺麗な仕上がりです。
  • ヒーターデフローストホースが取り付けられ、各配線が整理されました。グローブボックスドアも取り付けられています。
  • この個体のオリジナル品のワイヤリングハーネスが、これまたオリジナル品の取付金具によって丁寧に設置されています。ボルト&ナットに至るまですべてオリジナルパーツです。このこだわりよう、繊細さこそがN氏の真骨頂です。
  • そしてダッシュパネルが取り付けられました。
  • 完璧な仕上がりです。ダッシュパネルは基本的にはリプロ品が存在しません。レストア時には今回のようにオリジナルパーツを再生するか、中古品を入手して使用するしかありません。この作業は想像以上に手間のかかる作業で、ここまで完璧に手を入れるプロジェクトはとても稀なケースです。
  • N氏はこの”Arizona” プロジェクトの為にいくつかの目玉パーツを準備していました。その内の一つは以前にもご紹介したデッドストックのブロンコマットなのですが、本日はその他の目玉パーツをご紹介したいと思います。それがこちら、アリゾナで探し当てた当時物のNational Command XT タイヤセットです。USEDですがこのように綺麗な状態で見つかるのはとても稀なレアパーツです。
  • バハ・ブロンコの標準タイヤとしてはGates Command XT タイヤが有名ですが、National Command XTタイヤはGates Commandとネーミングが異なるだけで、製造された工場が同じだけではなく、トレッドパターンやデザインもすべて同一のタイヤなのです。要するに別ブランドの同一タイヤということで、今回のオリジナルを重視するプロジェクトのために確保しました。写真はN氏が保有するバハ・ブロンコの標準タイヤ、Gates Commandです。
  • アリゾナからタイヤが到着し、早速、レストアしておいたバハ・ブロンコオリジナルのクロームスチールホイールに組み込み、"Arizona" 号に装着してみました。
  • いかがでしょうか!? タイヤが替わっただけで一気にレトロな雰囲気になったと思います。
  • このタイヤはあくまでもディスプレイ用ですが、Fab Fordsなどのイベントでは注目度が上がるのは間違いないですね~。
  • オリジナルのヒーターコアユニットがN氏によって綺麗にレストアされました。
  • チューブからボルト1本に至るまで、オリジナルパーツが再生され組み上げられました。ヒーターコアはリプロ品が存在せず、新品を入手することは出来ませんが、手間暇をかければこのように綺麗にレストアすることが可能です。
  • ファイアーウォール側のボルト・ナットもすべてオリジナル品が再生されたものです。
  • そしてヒーターコアユニットがインパネの内側に設置されました。
  • オリジナルのシートフレームにNewシートフォームとNewシートスキンを使い再生されたフロントバケットシートとNewダッシュパッドです。
  • Newダッシュパッドが取り付けられました。
  • ダッシュパッドはウィンドシールドフレームを前方に傾けなければ脱着出来ず、ハードトップを取り付ける前の、今のタイミングでないと取り付けることが出来ません。ダッシュパッドの交換作業は意外に手間のかかる作業なのです。
  • N氏の工房にて作業が行われている”Arizona” 号は次なる工程に向けて、パーツ集めが行われています。
  • クランクシャフトプーリーとウォーターポンププーリーがN氏によって綺麗にレストアされました。
  • こちらはバハ・ブロンコオリジナルのリアフェンダーフレアです。もちろんこの個体から取り外された物です。綺麗に古いペイントが剥離されスムージングされました。この後、ペイントされます。バハ・ブロンコオリジナルのフェンダーフレアはリプロ品とは形状も材質も異なり、入手困難アイテムの内の一つです。レストアされたバハ・ブロンコでフェンダーフレアがリプロ品に交換されてしまっている個体を良く見かけます。オリジナルパーツが保たれているのか、しっかりと確認することが必要です。
  • 新聞紙に包まれた棒状のパーツがN氏の元に届けられました。
  • リクロームに出していたウィンドウクローム類です。もちろんこちらもこの個体から取り外したオリジナルパーツです。
  • そして苦労の末に入手したアイテムがこちら、"FORD MOTOR COMPANY"の当時の箱に入ったデッドストック品です。
  • そのデッドストック品がこちら、ブロンコリアマットです! 箱から出して日の光で暖めながら伸ばしていきます。
  • それにしても激レアアイテムであるブロンコマットのデッドストック品がフロント・リア共に揃うとは何ということでしょう。"Arizona"号は相当、強運の持ち主と言わざるを得ません。N氏の調達能力に感謝しつつ、これから完成に向けて俄然、やる気が出てきました。
  • リアマットを設置してフロントバケットシートなどのパーツを重石代わりにマットを伸ばします。
  • 徐々にですが確実に必要なパーツが揃えられていきます。
  • トルクコンバーターやトランスファーケースシールなどが揃い、トランスミッションを搭載する準備が整いました。
  • テールゲートハンドルバケットとテールゲートハンドルはN氏によってオリジナル品がレストアされました。
  • インテリアも徐々に形になってきました。次の工程でステアリングポストを取り付けることになります。
  • エンジンルームもバッテリートレイが設置され、ディストリビューターやコイル、スターターソレノイドなどの電装パーツが取り付けられました。クランクシャフトプーリーも取り付けられています。
  • そしてオルターネーターが取り付けられ、ファンが設置されました。
  • ファンベルトも取り付けられています。
  • リペイントされたハードトップがボディショップからN氏の工房へと戻ってきました。
  • ブロンコのハードトップは年代別に3タイプ存在します。この個体のハードトップはロールオーバー時にダメージを負っていたため、'71年式の別の個体のハードトップを入手しリペイントしました。共に’71年式で正しい組合せです。
  • リペイントされて戻ってきたこちらのハードトップ、一見綺麗に見えるのですが…
  • ドリップレール部分など細部のクオリティに荒さが目立つため、ボディに搭載し取り付け位置を確認後、ペイントのやり直しを依頼することになりました。せっかくここまで完璧に仕上げてきた今回のプロジェクトです、妥協するわけにはいきません。
  • そしてこちらはN氏がこの”Arizona” プロジェクトのために入手したデッドストックのロールケージパッドです。これも入手困難アイテムの内の一つです。
  • 当時の刻印が残る、完璧なデッドストック品です。それにしても今回のプロジェクト、デッドストック品など激レアパーツを惜しみなくつぎ込んだ、何とも豪華なプロジェクトとなりました。
  • こちらのオリジナルロールケージをレストアし、デッドストックのパッドを装着します。
  • N氏の工房にて作業が進められている"Arizona"号です。
  • エンジンルームの作業が行われました。
  • ラジエターが取り付けられ、ラジエターホースも取り付けられました。
  • オリジナル品がリビルトされたインテークマニュホールドの上に同じくオリジナル品をオーバーホールした2バレルキャブレターが装着されました。
  • オリジナル品をレストアしたエキゾーストマニュホールドも装着され、ヘッドカバーにはエミッションコントロールラベルが貼り付けられました。
  • 前回までに取り付けられたNewバッテリートレイまわりの配線の整理も行われています。
  • 既にプラグが装着されエンジンオイルレベルゲージ&ガイドパイプも取り付けられています。エンジン始動に向けて着実に作業が進められています。
  • ハードトップをボディに載せる時がやって来ました。
  • N氏によってハードトップが載せられました。基本的にひとりで作業を行っているN氏ですが、今回のような作業ではお隣の住人の方が手伝ってくれるそうで、無事にハードトップを載せることができました。
  • せっかく載せられたハードトップですが、座りが悪く、取り付け位置調整のためその作業をボディショップに委ねることになりました。後方にはN氏が同時にフルレストアを手掛けている希少な'66 Bronco Roadsterが確認できます。
  • ドアウィンドウフレームとハードトップの収まりを入念に調整していきます。
  • ウィンドシールドフレームとハードトップ端部のマッチング作業も入念に行います。ここが合っていないと雨漏りの原因となります。
  • ブロンコのハードトップはスチール製でそれだけでかなりの重量があり、ハードトップの座り調整を行う際は、サイドウィンドウとリアゲートを取り外した状態で行うことがポイントです。この3枚のガラスが付いていないだけでかなり軽くなり作業性が向上するのです。
  • ボディショップにてハードトップの座り調整が行われたアリゾナ号ですが、一旦、N氏の工房へと戻されました。
  • N氏によってリビルトされたこの個体のオリジナル品のステアリングコラムシャフトが取り付けられ、同じくこの個体のオリジナル品であるBaja Bronco固有のパッド付ステアリングホイールが取り付けられました。
  • コラムベアリングリテイナーに取り付けられたターンシグナルスイッチはNewパーツがインストールされています。
  • シフトインディケーターもNewパーツが使われています。このタイプのインディケーターは '71~'73 のバハ・ブロンコと'73 のブロンコにのみ採用されたパーツです。'74~'77 のブロンコではカバーで覆われたタイプとなります。'73モデル以降のブロンコは色々なパーツがアップデートされており、マニアの間では、よりレトロ感のある~'73までのモデルがが好まれる傾向があります。
  • ステアリングコラムチューブは最近ではリプロ品が売られていますが、長らくNewパーツが手に入らないパーツの内の一つでした。アメリカではチルト式のステアリングコラムに変更されている個体も多く、レストア時にオリジナルの状態に戻す事例が多いことから、いまだに高値で取引されているパーツなのです。今回はN氏によってオリジナル品が完璧にリビルトされています。今回のようなプロジェクトではどうしてもオリジナルパーツにこだわりたい箇所ですね。
  • N氏の工房で着々と作業が進められているアリゾナ号です。
  • こちらはブロンコ用のオリジナルシフトハンドルです。このパーツはNewパーツが存在せず、入手困難パーツの内の一つです。今回のプロジェクトではもちろん、この個体のオリジナルパーツを使用します。
  • こちらはシフトハンドルブッシングです。貴重なNOSパーツをアリゾナ号のために使用します。
  • こちらはシフトハンドルピンです。こちらも同じくNOSパーツです。
  • 貴重なNOSパーツを使い、シフトハンドルが取り付けられました。今回のプロジェクトではこういったNOSパーツが随所に惜しみなく使用されています。コストは嵩みますがよりオリジナルコンディションに忠実な内容となり、この個体の価値が底上げされます。
  • こちらはN氏によってレストアされたハーネスクリップです。もちろん、この個体のオリジナルパーツです。
  • レストアされたハーネスクリップを使ってオリジナルに忠実にハーネス類が整理されていきます。エンジンルームもだいぶまとまってきました。
  • オリジナルのキャブレターとスロットルリンケージもオーバーホールされ再度、インストールされました。綺麗な仕上がりです。
  • 出展を目指していた、30th Faburous Fords Foreverまでには完成させることが出来なかったArizona号ですが、気を取り直して、Mexican1000帰りのN氏によって作業が再開されました。
  • フューエルラインの設置が行われました。オリジナルの2Vキャブレターからフューエルフィルターを経て機械式フューエルポンプへとフューエルラインが繋げられました。
  • こちらが信頼性抜群の機械式フューエルポンプです。オリジナル2Vキャブレターとはベストな組み合わせです。
  • N氏はフューエルラインもオリジナル品にこだわります。
  • N氏によって綺麗にレストアされ取り付けられました。
  • フューエルラインを固定するクリップもN氏によってレストアされ再利用されています。
  • このような細かいパーツまで徹底的にオリジナル品にこだわり、レストア作業が進められているのです。
  • ディストリビューターやプラグワイヤー、イグニッションコイルなどの電装パーツや水まわりのホース類が装着されエンジンルームはほぼ完成しました。
  • ファイアーウォールまわりもNOSパーツがふんだんに使われ、完璧な仕上がりです。
  • インパネまわりも細かいパーツの装着を残してほぼ完成しました。
  • この個体のオリジナルパーツである、パッテドステアリングホイールも一旦取り付けられました。このパッテドステアリングホイール、レストア方法が確立されておらず、N氏が毎回どのようにリペアするかで頭を悩ませるパーツです。今回も何らかの形でレストア作業が施される予定です。
  • ダッシュ下にはファイアーウォールインシュレーションが貼り付けられました。もちろんNewパーツです。
  • Arizona号はハードトップの座り位置調整のため再びボディショップへと入庫する予定です。
  • ハードトップリア部分を基準に合わせるとフロント部分が微妙に合わないためです。
  • この微妙なずれを調整するため、再度、ボディショップにて作業を行います。
  • ハードトップの座り位置調整と加修のため再びボディショップへと入庫中のアリゾナ号です。
  • 長引くレストア作業中についた細かな傷を加修します。
  • ハードトップも同様に加修中です。
  • この後、ハードトップの座り位置調整が行われます。
  • ハードトップを装着する前に、ロールケージを戻さなければなりません。この個体のオリジナルロールケージにNOSパーツのパッドが装着されました。ペイント後装着しました。
  • 無事にボディショップでの作業を終えたアリゾナ号はN氏によって引き上げられました。遂にハードトップが正しい位置へと収まりました。
  • 加修作業を終えいよいよ完成まであと僅かとなりました。
  • ペイントショップでの加修作業を終えたArizona号はN氏によって細かな仕上げ作業が進められていました。ハードトップにはリフトゲートが取り付けられ、プロップサポートも取り付けられました。
  • ペイントされたタイヤキャリアループも取り付けられました。マウントブラケットはバハブロンコのペイントスキームに則り、下がポッピーレッド、上はウィンブルドンホワイトに塗り分けられています。
  • ポッピーレッドにペイントされたライセンスプレートブラケットにライトハウジングが取り付けられ、ライトバルブも取り付けられました。
  • ドアウィンドウフレームにリメッキされたオリジナルのウィンドウフレームクロームが取り付けられました。今回のプロジェクトではウィンドウクロームはすべてオリジナルパーツをリクロームして再生しました。
  • リフトゲートにリフトゲートウィンドウが装着され、リクロームされたウィンドウクロームが取り付けられました。その他、テールゲートハンドルやリフトゲートハンドルなど細々としたパーツが取り付けられました。
  • ドライバーズサイドのエアベントボックスもNewパーツが取り付けられました。
  • フロントプロペラシャフトもオリジナル品が再生され、新車時と同様のマーキングが施されました。
  • フューエルセレクターインジケータープレートもN氏によってオリジナルパーツが再生されました。
  • ヘッドライナーが装着されワイパーモーターとワイパーモーターカバーが装着されました。ドアパネルも程度の良い、同じ’71 ブロンコのオリジナル品が装着されています。
  • リアベンチシートはN氏によってボードから切り出され製作されました。
  • デッドストックのブロンコマットにリテイナーが装着され、固定されました。貴重なデッドストックがこのブロンコのために使用済みパーツとなった瞬間です。
  • N氏によって製作されたリアベンチシートも完成し、装着されました。
  • ヘッドライナーサポートボウによってヘッドライナーも固定されました。ロールケージにはデッドストックのロールケージパッドが装着されています。
  • このデッドストックのロールケージパッド、マニア垂涎の一品なのですが、目立たないパーツのためか、その事実を知る人は多くありません。隠れた激レアパーツです。
  • エンジンルームもほぼ完成しました。後は調整作業を行うのみとなりました。
  • カーボンキャニスター(所謂、チャコールキャニスター)もオリジナル品が再生され装着されました。こういった失われがちなパーツをオリジナルに忠実に再生していくスタイルこそがN氏の真骨頂と言えます。
  • こうしてほぼ完成の域に到達したArizona号です。
  • 1971 Baja Bronco “Arizona”が完成し、引渡しを受けて来ました。2011年11月にこの個体を入手し、N氏によりレストアプロジェクトがスタートしたのが2013年5月、3年8か月に及ぶプロジェクトが実を結ぶ日がやって来たのです。
  • この個体のレストアを進めるに当たり、数々の困難をN氏と共に乗り越えて来ました。最も苦労したのはボディワークでした。板金を請け負った職人が安定せず、実に3度も職人を変更する事態に直面しました。
  • 困難はあったものの、仕上がりは文句の付けどころがない完璧なもので、NOSパーツや希少パーツもふんだんに注ぎ込まれ何とも贅沢な1台となりました。
  • 希少なパーツの内のひとつがこのNational Command XT タイヤです。このタイヤは当時バハブロンコの標準タイヤとして採用された、Gates Command XTタイヤと同一のタイヤです。
  • この状態で保存されてきたことはまさに奇跡と言えます。何しろ40年以上前のタイヤなのです。
  • そしてこの”Arizona” 号のために、”AZ BAJA”のライセンスプレートを取得し、当時のブループレートをオーダーし取り付けました。スペシャルな1台に相応しい演出です。
  • エンジンルームを始めとするメカニカルな部分も驚くほどのクオリティを実現しています。
  • インテリアもオリジナル品と同等のマテリアルをオーダーしているシートハーネス以外、すべて完成しました。ステアリングホイールはデッドストックのバハブロンコオリジナルの一品で、N氏が所有するストックをこの個体のために放出してもらいました。もう二度と入手することができない一品かもしれません。
  • こうして引渡しを受けた”Arizona” 号をトレーラーに載せ、一路、LAを目指しました。
  • ブルーのラプターとArizona号の相性が良いこと!
  • 実はこの組み合わせを見越して、ラプターのボディカラーを予め選択していました。
  • 道中ではフォードフリーク達の熱い視線を感じながらのロングドライブとなりました。この区間のトーイングは何度も経験していますが、Arizona号を運んでいるというプレッシャーもあり、いつも以上の安全運転を心がけました。
  • 美しく仕上がった、”Arizona” 号です。こうして完成後の写真を撮っている事実がとても感慨深く、喜びが沸々と湧き上がってくるのを感じます。それ程このプロジェクトの完成までの道のりは険しく困難を極めたのです。
  • その原因の一つがこの”Arizona” 号のレストア前の状態であることは疑うことの出来ない事実です。レストアベースとしてはあまり良い状態ではなかったのです。しかし、アリゾナの納屋で発見された”リアルバーンファインド” トラックであるというストーリー性を考慮した結果、レストアプロジェクトの断行を決意したのでした。
  • 最大の難問はボディのリペア作業だったことは間違いありません。この個体はドライバーズサイドから一度、ロールオーバーを経験しており、ボディ自体が歪んでいたのです。ボディ自体のリペア作業は当時、マスタング専門店を兄弟でシリコンバレーにて営んでいたG氏に依頼しました。
  • N氏の旧友でもあるG氏と共に、極力、オリジナルのパネルを生かすという方針の元、作業が進められました。その結果、リペアを断念し交換が必要となったパネルはドライバーズサイドのフロントフェンダーパネルのみでした。そのパネルもロールオーバー時に交換されたものでしたので、当初からオリジナルのパネルは失われていた事になります。今回のプロジェクトでは同じ’71年式ブロンコのフェンダーパネルを探し出し使用しました。
  • こちらがリペアを断念したドライバーズサイドのフロントフェンダーパネルです。
  • N氏がリペアを断念した理由がこのBill Stroppeのステッカーにあります。このステッカーはオリジナルのステッカーで、貼られている部分のパネルも実はオリジナルのパネルなんです。
  • ロールオーバー後、フロントフェンダーパネルを潰してしまい、フェンダーパネル交換を余儀なくされた当時のオーナーがこのオリジナルステッカーを生かす為に、このステッカーが貼られている部分のみをカットし、他のブロンコ(イエローペイント)のフェンダーと継接ぎしていたのです!なんという執念でしょう。ここまでしてこのステッカーを残したかった当時のオーナーに敬意を表し、今回のプロジェクトでは他のフェンダーを使い、この継接ぎされたフェンダーは保存することにしたのです。
  • ハードトップもロールオーバーによるダメージのためリペアを断念しこちらも同じ'71年式ブロンコの物を使用しました。リプロ品を使用せず、同じ年式のパーツにこだわることで、この個体のレストア後の価値を上げることが出来るのです。すべてのウィンドウクロームはオリジナル品をリクロームし再生しました。
  • リプロ品を使用せず、同じ年式のパーツにこだわることで、この個体のレストア後の価値を上げることが出来るのです。すべてのウィンドウクロームはオリジナル品をリクロームし再生しました。
  • リアフェンダーフレアも貴重なバハブロンコオリジナルパーツを再生しています。
  • タイヤ&ホイールはこちらも貴重な当時物タイヤ、National Command XT タイヤにオリジナルのスチールホイールを組み合わせました。’71年式のバハブロンコにはこのクロームメッキが施されたスチールホイールが標準で採用されていました。
  • 今回はN氏が収集した別の'71 Baja Broncoのホイールを製造元に送り返し、リクローム処理を施してもらった上で使用しています。
  • クリーンに仕上がったインテリアですが、貴重なデッドストックパーツがふんだんに使われています。
  • そんな希少パーツの内の一つがこちら、バハブロンコオリジナルのパッテドステアリングホイールです。このステアリングホイールはN氏が所蔵していた2つのデッドストック品の内の一つなのですが、この度、カリフォルニアにて劣化したパッテドステアリングホイールの再生に目途が立ったことから、N氏に貴重なデッドストック品を放出してもらいました。今後はパッテドステアリングホイールの再生を順次行っていくことになります。この特徴的なステアリングホイールが失われた数多くのバハブロンコオーナーにとっては朗報ですね。
  • そしてもう一つの貴重なデッドストックパーツがこのブロンコマットです。
  • 40年以上の保管期間を経て、慎重に”Arizona” 号に敷設されました。こちらはフロントマットです。
  • 同様にリアマットも丁寧に敷設されています。ただでさえ貴重なスポーツトリムのブロンコマットですが、フロントとリア共にデッドストック品の入手に成功するという幸運に恵まれました。
  • これは本当にすごいことで、アメリカ人のマニア達も一様に驚いている程なんです。パッテドステアリングホイールとブロンコマットだけでかなりオリジナル度が上がりこの個体の価値を押し上げています。
  • トランスファーケースのシフトインディケーターはプラスチックパーツの為、オリジナル品の再生を断念し、昨年発売されたばかりのリプロ品を採用しています。このパーツは昨年発売されるまでは欠品パーツだったのですが、タイミング的に”Arizona” 号の完成に合わせて発売されたようで、多くのデッドストックパーツとのめぐり合わせといい、”Arizona” 号はなんとも幸運なブロンコのような気がしてなりません。
  • オリジナルのロールケージに取り付けられたロールケージパッド、実はこのパーツはバハブロンコオリジナルのNOSパーツなんです。知る人ぞ知る激レアアイテムなのですが、今回のレストアプロジェクトの過程で入手に成功し無事にArizona 号に装着することができました。
  • ドアパネルは損傷が激しかったためオリジナル品の再生を断念し、同じ'71年式ブロンコのオリジナルパネルを使用しました。
  • このパーツもここまで状態の良い物は稀でレアアイテムと言えます。アームレストはN氏がストックしていたNOSパーツを放出してもらいました。こちらはパッセンジャーサイドです。
  • そしてこちらはドライバーズサイドです。
  • ドアパネルのコンディションが如何に良いかをご確認頂けると思います。
  • テールライトレンズはフォードオーバルマーク入りのNOSパーツを使用しています。
  • リアサイドマーカーレンズもフォードオーバルマーク入りのNOSパーツを使用しました。
  • 同様にフロントサイドマーカーレンズもフォードオーバルマーク入りのNOSパーツです。
  • フューエルタンクセレクターバルブもN氏によってオリジナルパーツが綺麗に再生されました。リプロ品にはない金属の質感が確認出来ます。
  • 美しく仕上がった “Arizona” 号、エンジンルームもオリジナルに忠実に仕上げられました。この個体はアリゾナの砂漠で発見された当時、ボディにダメージを負っていたものの、エンジンルームはほぼオリジナルの状態を保っていました。今回のプロジェクトではオリジナルパーツの再生に重点が置かれました。
  • エンジンルームで一際目立つ存在なのがこのエアークリーナーボックスです。近年、中古パーツの出物が激減しており、入手困難なパーツとなっています。エアークリーナーボックスに付属したシュノーケルと呼ばれる吸気ダクトも最近では出物がほとんどなく、入手出来ないパーツです。今回のプロジェクトではこの個体のオリジナルのエアークリーナーボックスとシュノーケルを再生しました。
  • 02エンジンのエミッションコントロールラベルもオリジナルに忠実に正しい位置に貼られました。
  • ジャッキと付属工具類もこの個体のオリジナル品です。こちらも綺麗にリペアされ取り付けられました。
  • フードラッチはオリジナル時の状態を再現するため、クロームメッキが剥がされシルバーグレーにペイントされました。
  • 貴重なビル・ストロップオリジナルパーツであるショックマウントも美しい仕上がりです。
  • この個体のステアリングギアボックスはビル・ストロップによってデリバリーされた当初からノンパワーステアリングギアボックスを備えていました。今回のプロジェクトでは特徴的なストロップのパワーステアリングギアボックスを装着することも出来ましたが、敢えてオリジナルに忠実な姿へとレストアするため、オリジナルのノンパワーギアボックスをリビルトしました。へダースも新車時から備えていた鋳物タイプを再生しています。
  • エキゾーストマニフォールドから先のエキゾーストパイプもオリジナル同様のパッセンジャーズサイド1本出しのシングル仕様で引き直しています。
  • サイレンサーもこの個体のオリジナル品同様、リデュースドノイズサイレンサーを装着しました。若干おとなしい音質ですがオリジナルに忠実な形での仕上がりを優先しました。
  • サイレンサーもこの個体のオリジナル品同様、リデュースドノイズサイレンサーを装着しました。若干おとなしい音質ですがオリジナルに忠実な形での仕上がりを優先しました。
  • C4オートマティックトランスミッションもビル・ストロップによってインストールされたオリジナル品をリビルトしています。ATFオイルパンもオリジナル品を再生しています。このオイルパン、オリジナル品は隠れたレアパーツで貴重な一品です。知らない人はリペアせずにアフターマーケット製へと交換してしまい、オリジナル品は廃棄処分されてしまうため、びっくりするような高値で取引されています。このオリジナル品の鈍い金属の輝きが何とも良い雰囲気を創り出しているのですが、アフターマーケット製のオイルパンに交換するとその調和が一気に崩れ去ってしまうのです。
  • トランスファーケースもオリジナル品をリビルトしました。
  • フレームまわりもツルツルで美しい仕上がりです。
  • テールゲートの"FORD" レターはミシガン州のフォードトラックプラントでペイントされた時と同様の手法、即ちローラーペイントによってペイントされました。ペイントの粗さが上手く再現できています。
  • こうしてレストアを終えた "Arizona" 号は私共の倉庫にて、彼のビックブラザーである、1971 Baja Bronco "Travel Trailer" 通称 "OG BAJA" と対面を果たしました。
  • Santa Anaの気候もだいぶ涼しくなってきたこの日、、ついにArizona Bajaを登録するため、DMVへと行って来ました。
  • ペーパーワークを済ませ待つこと30分弱、検査も無事にパスし、ライセンスプレートを受け取りました。
  • 受け取ったカリフォルニアライセンスプレートに10月を示す「OCT」のステッカーと「2016」ステッカーを貼り付けます。
  • これで2016年10月まで登録が有効という事になります。
  • そしてArizona号のライセンスプレートブラケットにNewプレートを取り付け、無事に登録完了です。
  • こうして無事にカリフォルニアカーとなったArizona号、Newプレートを取り付けた喜びも束の間、次なるステップであるスペシャルライセンスプレートへの切り替えを行う予定です。